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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第285回

街乗りでも本当に効く? シビック TYPE Rの純正アクセサリーを群サイで試す!

2022年12月25日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

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サーキットユースではなく、街乗り用です
ホンダアクセスの中の人に根掘り葉掘り聞いた

商品企画部デザインの深尾なつみさん(中央)、ホンダアクセス開発部AD4ブロックの山崎純平さん(右)

 そこで開発を担当されたホンダアクセス 開発部 AD4ブロックの山崎純平さんと、商品企画部デザインの深尾なつみさんのお2人にお話を聞くことにしました。当然最初は「これはニュルアタック用にパーツなんですよね!」と直球質問。すると山崎さんから意外な答えが返ってきました。「いえ、一般道を気持ちよく走るために開発しました」。こんなに大きな羽根なのにサーキット用アイテムじゃないだと?

開発時に使用したリアスポイラー

 「このテールゲートスポイラーは、グランドツーリングカーらしい高速域でのさらなる直進安定性と、FRのような一体感ある乗り味。いかなる路面状況でも安心して楽しめ、運転が上手になったように感じるように設計しました」というではありませんか。その話を聞きながら、以前、FL5型シビック TYPE Rの開発責任者である柿沼さんから「このシビック TYPE RはRacingだけでなく、GTカーのような快適性や上質感も視野にいれている」という説明を受けたことを思い出しました。つまり「長距離ドライブをファンなものにする」のが、このテールゲートスポイラーの開発目的なわけです。

開発時に使用したスポイラーを見ながら、説明を受ける唯さん

 ホンダアクセスは長年にわたり「実効空力」という空力コンセプトを掲げています。これは接地荷重を4輪均等にすることで、安定感を得るというもの。当然、このテールゲートスポイラーにも、その考えに基づいているそうで、「本当は前側(フロントバンパー)もやりたかったんですけれど」と山崎さんは前置きしながら「シビックTYPE RはFFですから、もともと前荷重気味になります。よってリアスポイラーを大型化すれば、4輪に均等した接地加重を得ることができます」なのだそう。

リア側を持ち上げ、ガーニーフラップを形成

 それではリアスポイラーの細かな部分について話をうかがいましょう。深尾さんによると、主に3つに分けられるのだとか。「まず中央のメインエレメント部ですが、断面はNACA4412をベースに、ガー二―フラップを取り付けて、さらなる直進安定性と得ています。両サイドの下がっている形状は、直進性と旋回性の両方に寄与します」とのこと。

サイドプレート(翼端板)

ドアミラー付近のAピラーの角度とサイドプレート(翼端板)の角度を併せることで、空力効果を高めているという

真後ろから見ると、ウイングがHに見える

 「サイドプレート(翼端板)は、Aピラーの角度と合わせています。また、後ろから見た時にH型になりますから、Hondaのクルマという存在感を与えています」だとか。

裏側にはノコギリ歯のような形状(シェブロン形状という)の実効空力デバイスが取り付けられている

実験で作成したシェブロン形状の実効空力デバイス

実効空力デバイス

 裏側には、ノコギリ歯のようなものが。「これはシェブロン形状という実効空力デバイスです」とのこと。シェブロン形状の話については、こちらの記事をご参照頂ければと思います(「ヤバい、やりすぎだ……」新型シビック TYPE R用純正アクセサリーを総チェック!)。

 設計は風洞やコンピューター解析の研究で得たものをベースに、実際に走行しながら微調整を繰り返したのだとか。「実際に私も走りながら、現場でモックを削ったり、パテで盛ったりして、また走りました」と、デザイナーである深尾さんも走り込みに参加したのだとか。こうして関係者全員が納得したモノが、このテールゲートスポイラーなのだとか。こうした空力パーツは高速域なら効果は実感できますけれど、はたして一般道ではどうなの? という疑問が。山崎さんによると「測定では80km/hから変化が現れますが、実際はもっと低速でも違いを感じることができます。人間の感性はセンサーよりも精度が高いんです」とのこと。それでは論より証拠ということで、走って試すことにしましょう。

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