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石川温のPCスマホニュース解説 第154回

ドコモが三菱UFJ銀行と連携 キャリアの金融事業は総力戦に

2022年12月19日 09時00分更新

文● 石川温

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ドコモが独自に銀行を作る気はない

 NTTドコモは、今回、三菱UFJ銀行のBaaSという仕組みを活用し、あくまで三菱UFJ銀行の口座情報と連携するという機能に留め、自社で銀行をつくるというところまでは踏み込まなかった。

 KDDIが「auじぶん銀行」、ソフトバンクが「PayPay銀行」、楽天は「楽天銀行」と他キャリアが自社グループで銀行を抱えるのとは対照的だ。このスタンスの違いについては、記者会見で結構、記者から突っ込まれたポイントでもあった。

 NTTドコモが独自に銀行を作るという点に関してNTTドコモ・スマートライフカンパニー ウォレットサービス部 バンクサービス担当部長の色川州平氏は「現時点では想定していない」と素っ気ない。「NTTドコモが銀行業をゼロから始めるのではなく、国内最大基盤を持つ三菱UFJ銀行との連携で、早期にサービスを提供することが重要だった」と語る。

 端から見ると、三菱UFJ銀行からすれば、dスマートバンク経由で、新規に口座を開設してくれる人が増えるというメリットがあるが、NTTドコモのメリットは限定的のようにも感じる。

 実際、KDDIのauじぶん銀行は、住宅ローンなどを提供し、ローン商品の残高が1.9兆円となるなど、金融事業が潤っている。

 楽天グループも、基地局建設による設備投資がかさむ楽天モバイルがグループ全体の足を引っ張っているものの、金融事業は絶好調だ。実際、楽天銀行の口座数は9月末日時点で1303万口座と、前年同期比で14.5%も増えている。

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