ビジネスプラン作成をきっかけに、興味関心と可能性を広げてほしい ―「高校生ビジネスプラン・グランプリ」
提供: 株式会社日本政策金融公庫
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高校生・高専生たちが自ら考え抜いたビジネスプランを競い合う全国大会が、毎年開催されているのをご存じだろうか?
日本政策金融公庫が主催する、若者の創業マインド向上を目的とするビジネスプランコンテスト「高校生ビジネスプラン・グランプリ」だ。例年、全国から数千件の応募があり、多くの卒業生を輩出してきた。また、この経験をきっかけに起業した卒業生もおり、次の時代を担う人材育成にも寄与している。
10回目を迎える今回は応募校数、応募件数ともに過去最多となり、すでに大きな盛り上がりをみせている。現在、応募プランの審査が終盤を迎えており、12月1日には「ファイナリスト」10組の発表、2023年1月8日には、10組によるプレゼンテーションをふまえた最終審査会が行われる予定だ。
近年、社会課題の解決やこれからの日本の活性化と成長に向け、起業家やスタートアップの活躍に期待が高まっている。こうした流れに先駆け、日本政策金融公庫では10年にわたってこの事業を行い、若者たちの育成と成長を支援してきた。この取り組みを続けてきた背景には、どのような目的や思いがあるのか。
「第10回高校生ビジネスプラン・グランプリ」の開催概要とともに、高校生ビジネスプラン・グランプリ運営事務局を務める株式会社日本政策金融公庫 国民生活事業本部創業支援部ベンチャー支援グループの濱田健志氏にお話を伺った。
若者の創業マインド向上を目的に、2013年から開催
―――「高校生ビジネスプラン・グランプリ」について、事業の概要や目的をご紹介ください。
濱田健志氏(以下、敬称略):今年度で10回目を迎える「高校生ビジネスプラン・グランプリ」は、日本政策金融公庫が主催する、高校生および高専生(1~3年生)を対象にしたビジネスプランのコンテストです。若者の創業マインド向上を目的に、平成25(2013)年度から開催されています。これまで多くの高校生・高専生が参加しており、過去の参加者の中には実際に起業した学生もいます。
このコンテストでは、ビジネスプラン作成を通じて、学生たちがビジネスの知見を深め、次の3つの力――「自ら学び、考え、課題を見つける力」、「課題を解決するための論理的な思考力」、「他者と協働しながら課題を解決する力」を養うことを目的としています。
―――「ビジネスプラン作成」と聞くと難しそうに感じますが、学生たちはどのようなものに挑戦するのでしょう。もとめられるポイントなどについて教えてください。
濱田氏:募集するのは「人々の生活や世の中の仕組みをより良いものに変えるプラン」や「地域の課題や環境問題などの社会的な課題を解決するプラン」です。審査項目は、明確にされており、「商品・サービス」、「顧客(ターゲット)」、「必要な経営資源」、「収支計画」という4つの観点から審査が行われます。
「商品・サービス」
商品・サービスに高校生・高専生ならではの豊かな発想や着眼点があるか。人々の生活や世の中の仕組みの改善、または地域・社会に貢献する事業内容であるか。
「顧客(ターゲット)」
ニーズを把握し、具体的な顧客(ターゲット)を想定しているか。販売方法や広告・宣伝方法が具体的で、商品・サービスの内容とマッチしているか。
「必要な経営資源」
必要な経営資源(ヒト、モノ、技術・ノウハウ)等が考慮されているか。
「収支計画」
ビジネスを継続できるだけの売上・利益が見込まれるか。
―――本格的なビジネスプランに挑戦するのですね。大人でも難しそうです。
濱田氏:初めてビジネスプランを作成する方にも安心して取り組んでもらうために、日本公庫の職員が学校を訪問し、無料で「出張授業」を行っています。オンラインで実施することもあります。出張授業では収支計画のつくり方など、ビジネスプランをいかに作成していくか、金融の専門家としてアドバイスするなど授業をサポートしています。
また、専門的なアドバイスの一方で、高校生や高専生を対象としていることから、次の3点も大事にしています。1つ目は、「若者ならではの自由な発想や創造力を活かしたプランを募集していること」。2つ目は、「教育効果を高めるため、応募のあったプランに対し、フィードバックコメントを作成していること」。そして、3つ目は「様々な場の提供」です。たとえば、発表の場として「地区発表会」を開催したり、過去の参加者が交流できる場として「OBOG交流会」を開いたりもしています。
―――ビジネスプラン作成をひとつのきっかけにして、学生たちの継続的な学びや相互交流も大切にしているわけですね。
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