遠隔子育てロボット「ChiCaRo」、マスク装着でも顔認識するサービスを東芝と共同開発
遠隔共同子育てロボット「ChiCaRo(チカロ)」を開発する株式会社ChiCaRoは2022年8月10日、「東芝オープンイノベーションプログラム 2022」に採択され、東芝デジタルソリューションズ株式会社の「顔認識AI カオメタ」を「ChiCaRo」に応用する新サービスの共同開発を決定した。「カオメタ」は映像から人物を特定する顔認識AIで、最新バージョンではマスク装着時の顔認識や顔の向きの推定が可能。「顔認識AIカオメタ」の応用で、「ChiCaRo」による保育の質の向上に期待がかかる。
「ChiCaRo」は「遠隔協同子育て」として、遠くにいる人が乳幼児とやりとりが可能な人型ロボットの遠隔コミュニケーションデバイス。ワンオペ育児をテクノロジーと遠く離れた家族の力でサポートするために開発された。ビデオチャットやタブレットによる遠隔操作により、「ChiCaRo」との追いかけっこやかくれんぼ、ままごとなど、身体を使った「遊び」によるコミュニケーションを実現。まだ会話ができない乳幼児の興味を継続的に引き付け、育児の負担軽減を図る。
今回「ChiCaRo」への応用が決定した「顔認識AI カオメタ」は、特定したい人物の顔を顔辞書に登録することで、映像による人物のリアルタイムの確認や、メタデータの付与を実現する。最新バージョンでは、エンジンの高精度化により、マスク装着時の顔認識や顔の向きの推定が可能で、変動要因を強化した。また、画面に映る不特定多数の中から特定人物を認識する能力をそなえ、照明が暗い中でも高精度認識を行う。「カオメタ」の応用により、より精度の高い保育が見込まれる。
ChiCaRoは電気通信大学発ベンチャー認定で、2017年に設立。NEDO (国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の研究開発業務の委託を受け、「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業/説明できる自律化インタラクションAIの研究開発と育児・発達支援への応用」のテーマで大阪大学、電気通信大学と共同研究を行っている。