楽天モバイルが3月30日より新経営体制に刷新された。
仮想化ネットワークを担当していたタレック・アミン氏がCEOに就任。国内の基地局建設を統括していた矢澤俊介氏が社長となった。タレック・アミンCEOは海外と国内事業、矢澤俊介社長は国内事業を中心に指揮を執る。
プラチナバンドの獲得目指す
まず、矢澤社長が着手したのがプラチナバンドの獲得に向けての活動だ。
楽天モバイルはすでに参入時の計画値を大きく上回る4万3000局を超える基地局を全国に設置。人口カバー率も96.7%と、計画を約4年前倒すことに成功している。しかし4Gにおいては1.7GHz帯の周波数しか持っていない。
楽天モバイルは、MMD研究所の調べでは料金、サービス、総合の顧客満足度では1位を獲得しているものの「通信品質」においては9位と他社と比べて惨敗を余儀なくされている。
この理由は、つながりやすいとされる「プラチナバンド」を楽天モバイルが持っていないという理由が大きい。
プラチナバンドとは700〜900MHz帯の周波数で、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクはすでに所有している。かつて、ソフトバンクがiPhoneを独占的に販売していた頃、「iPhoneは魅力だが、ソフトバンクは電波がつながりにくいので、NTTドコモからiPhoneが出るまで待つ」というドコモユーザーが少なからず存在した。
当時のソフトバンクはプラチナバンドを持っておらず、孫正義社長(当時)が総務省を訴訟するという騒動を起こしたほどだった。
ソフトバンクは、割り当てられていた周波数帯で全国に基地局を建てまくり、その後、総務省からプラチナバンドを割り当てられたことで、NTTドコモ、KDDIに匹敵する通信品質を実現したのだった。
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