改正電波法の10月施行に期待
現在、楽天モバイルにすぐに割り当てられるようなプラチナバンドは存在していない。楽天モバイルとしては、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクから、ぞれぞれ5MHz幅を総務省にいったん返してもらい、それを新たに楽天モバイルに割り当ててもらうという計画を進めている。
もちろん、既存3社は猛反発。あるキャリア幹部は「プラチナバンドは現在も使っており、多くのユーザーを抱えている。ユーザーに迷惑をかけるようなことができない」と反論する。
総務省の有識者会議でも、仮に楽天モバイルの主張を通そうとするには、技術的なハードルもあるため、NTTドコモは10年、KDDIは7年ほど移行期間が必要だと主張。一方で楽天モバイルは「1年で可能だ」と強気の姿勢を示している。
矢澤社長は「国民の財産である電波の有効活用という観点からも政治の判断に期待したい」と語る。
現在、国会では電波法の改正議論が進んでおり、周波数には有効期限があるという話が盛り込まれようとしている。これが可決されれば今年10月にも施行となり、楽天モバイルにチャンスが巡ってくるというわけだ。
矢澤社長が「政治の判断に期待したい」というのは、まさにそういうわけなのだ。
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