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石川温のPCスマホニュース解説 第136回

スマホの対応周波数、なぜ違う?

2022年04月12日 16時00分更新

文● 石川温

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ドコモにPixel 6がないのも周波数のせい?

 総務省ができるだけ同じ周波数帯を3キャリアもしくは4キャリアに、世界でよく使われている周波数帯を割り当てていれば、こんなことにはならなかった。

 最近でも総務省はNTTドコモに5G用として、n79というバンドを割り当てている。しかしこのn79は国内では1社のみ、世界を見ても中国などごく一部でしか利用されていない。

 実は日本でグーグルPixel 6シリーズがソフトバンクとKDDIしか扱っておらず、NTTドコモのラインナップに存在しないのは、「グーグルがn79に対応する気がないから」と言われている。

 NTTドコモとしてはn79に対応してもらわないことには国内で5Gを使うのにつながりにくい可能性が出るため、Pixel 6シリーズを採用できない。

 一方、グーグルもNTTドコモのためだけにn79に対応するのはコスト的、技術的にも優先度が低いという結論なのだろう。

 総務省が何も考えずに割り当ててきた周波数の問題をなぜメーカーが尻拭いしなくてはいけないのか。すべての周波数帯に対応しようと思えば製造コストが上がり、その負担は国民にしわ寄せが行く。

 総務省と有識者会議は本当に国民のために議論をしているのだろうか。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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