広島県が挑むユニコーン企業創出、「ひろしまユニコーン10」プロジェクトがスタート
成長フェーズにあわせ10のサポートを実施
広島県から10社のユニコーン企業を
湯﨑知事は、「国内外からスタートアップ企業や人材が蓄積し、スタートアップの成長に必要なコミュニティが形成されている。そして、広島県で、イノベーションエコシステムを構築するために、最後に必要なピースがユニコーンとなる。広島は、海や山といった自然と都市機能が近接している特徴があり、全世界の課題解決に通じるフィールドもある。県内の7割以上の自治体が実証実験に協力するという環境もある。さらに、広島は国際平和都市としての世界的知名度もあり、世界的課題を解決するための発信力も持つ。ユニコーンを育てる舞台にふさわしい」と自信をみせた。
また、「ユニコーンが1社できればいいといいというものではない。何社が正解というものでもないが、ユニコーンが既存産業と相互に刺激しあうことで、しなやかな産業構造を作りたい。挑戦の数が増えると、挑戦の確度もあがり、さらにユニコーンが生まれる。広島発のユニコーン創出の取り組みが日本全体のロールモデルとなり、ポストコロナ時代の日本に求められる姿を実現したい」と述べた。
世界のユニコーン企業は1000社に達するが、そのうち米国および中国で約7割を占めており、日本は11社に留まっているという。
「日本にユニコーン企業が少ない背景には、日本では起業する人が少ない、独立系ベンチャー企業が少ない、ベンチャーへの投資額が少ないという課題がある。さらに、資本金10億円以上の企業は50%以上が首都圏であるという一極集中の状況も大きな課題である。日本全体がポストコロナ時代にさらに発展するには、各地域が多様な姿で発展をしていくことが必要不可欠であり、多様性のなかから新たな価値と経済循環を生まなくてはならない」と指摘する。
一方で、広島県が掲げたユニコーン10社の創出という目標は高いものだが、それに対して、湯﨑知事は、「確かに高い目標ではあるが、エストニアは広島県の約半分の人口規模だが、6社のユニコーン企業が生まれている。広島県でも、ダイソーやディスコ、エフピコ、ローツェ、ラクサス・テクノロジーズといった企業がすでに生まれている。古くはマツダや、紳士服の青山もある。人口規模や産業規模からいっても不可能な数字ではない。大切なのは志を持って動いていくことである。経団連では日本国内で100社のユニコーン企業の創出を目指すとしており、そのうち広島県で10社を担っていきたい。政府のデジタル田園都市構想の取り組みにおいて、今回の取り組みが、地方のモデルケースのひとつになり、日本経済全体の発展にもつなげたいと考えている」などと語った。
さらに、「私自身も起業し、上場した経験がある。VCに在籍していた経験もある。大切なのはやるということである。アイデアはたくさんの人が持っている。そして、同じようなアイデアが同時多発的に生まれてくる。そのなかで成功するのは、信念を持って行動し、実行する人たちである。考えるだけでなく実行することが重要だ。ただ、これを一人でやる必要はない。様々な人の支援を受けながら成長を目指してほしい。アイデアがある人は、ぜひ広島県に来てほしい」と述べた。