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麻酔説明を半自動化|インフォームド・コンセントを支援するコントレア株式会社、麻酔科向けサービスのリリースを発表

PR TIMES

Contrea株式会社
~より患者に寄り添った効率的な麻酔説明を~

動画を活用したインフォームド・コンセント支援システム『MediOS (メディオス) 』を提供するコントレア株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:川端一広)は、新たな疾患領域の展開として麻酔科向けのサービスをリリースしたことをお知らせいたします。 説明の効率化と患者エンゲージメント向上の両立を支援するシステムとして、 医療現場のDXに貢献して参ります。




■ 麻酔科向けサービスリリースの概要


提供内容:麻酔科向け動画コンテンツ、及びMediOSシステム
提供開始日:2022年2月18日(金)~
サービス概要・申込URLhttps://www.contrea.jp/product-anesthesia



■ 麻酔科医不足の現状と背景
 安全な手術のためには麻酔科医による麻酔管理が重要ですが、全診療科の中で麻酔科医が最も不足しており、対応できていない現状があります。(*1) 不足をカバーするために、大学病院では40%、一般病院では60%もの施設が外部に麻酔科医の派遣を定期的に要請しています。(*2)
 その背景としては、手術件数が急増し需要が拡大していることや、麻酔業務以外にも集中治療・救急医療、ペインクリニックなど担当範囲が拡大していることが挙げられます。実際、日本における麻酔件数は2014年度の541万件に対し、2020年度では600万件と約10%増加しています。(*3)
 業務量の拡大に加え、術前の麻酔説明に多くの時間が取られることも麻酔業務を阻害する要因の一つとなっています。 麻酔説明は麻酔科医が担当しますが、様々な診療科の患者が対象となるため、病院の中でも特に患者への説明に時間がかかっている診療科です。大病院では麻酔科管理下の手術は4,000件以上にのぼることもあり、年間1,000~2,000時間もの時間が説明に費やされています。
 麻酔科医不足、そして2024年に迫る医師の働き方改革の対策として、麻酔科医の業務効率化が急務となっています。


■ インフォームド・コンセント支援システム『MediOS』とは
 麻酔説明には多くの時間がかかりますが、その内容を紐解くと麻酔の概要や合併症など定型的な内容が多くを占めています。
 そこで、MediOSは定型的な内容をアニメーション動画にし、事前に患者が説明を受ける機会を提供します。これにより医師の麻酔説明を効率化することで、麻酔科医の不足の課題解決を図ります。加えて、患者理解度や質問を事前に取得するクラークの役目を担うこともできます。システムとしては動画の準備から管理、患者への動画共有、視聴データ解析まで一気通貫で運用可能な点が特徴です。
 麻酔説明の定型的な部分を効率化することで、麻酔科医は患者個別性の高い説明やハイリスクな患者への事前準備、手術の麻酔管理など本質的な業務に集中することができ、手術の安全性向上にも繋がります。


■ 麻酔説明コンテンツのご紹介
 麻酔科向けの動画コンテンツは入院までの準備や各種麻酔方法と合併症、術後の覚醒、PCAポンプの使い方など、約50分にものぼる動画を制作しました。
本リリースではその中の一部である「全身麻酔(急速導入)」を参考動画として公開します。

クリックで再生されます。音声を含みますのでご注意ください。




■ MediOSの効果
 MediOSは大学病院を始めとした200~700床の病院で導入されています。導入効果として医師の説明時間が患者一人あたり33%短縮されました。また、高齢者が多い中にあっても平均理解度が4.6点 (5段階中) を取得するなど、医師および患者の双方にとって良い効果が出ています。
 医療業界では2024年4月に働き方改革に関する法律が適用され、医師の時間外労働時間に上限が設けられるため、医療現場の効率化が急務となっています。MediOSはこのように患者理解度向上と働き方改革を両立します。


■ 監修医師からのコメント
 全ての動画は、京都府立医科大学の佐和先生・柴崎先生、京都大学の松村先生・加藤先生の監修の元に制作しています。


・佐和貞治先生(京都府立医科大学 副学長 / 京都府立医科大学 麻酔科学教室 教授 / 同附属病院 医療安全推進部部長)
麻酔科向けの動画コンテンツ作成のご提案を頂き、手術麻酔を受けられる患者さんへ麻酔管理についての説明のビデオコンテンツの作成を、術前麻酔業務の支援に役立つものとして、お手伝いさせていただきました。私ども麻酔科の教室員の現場の意見を反映いただいた画期的なビデオクリップをサブコンテンツごとに作成いただきました。新型コロナウイルス感染症は、手術前の感染予防のための自宅隔離期間設定や入院前PCR検査など、術前の麻酔管理業務遂行に大きな影響を与えました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症が例え無かったとしても、すでに医療費抑制のための手術前入院期間の短縮に伴う手術当日入院や休日入院の推進、働き方改革の一貫としての術前業務の集約化・効率化や遠隔医療導入などの新しい波に対応していくことは不可避な状況が迫っていました。今回作成いただいた動画コンテンツがきっかけとなって、新たな術前医療のムーブメントが発生し、革新的な術前管理導入に繋がっていることを大いに期待しています。



・柴崎雅志先生(京都府立医科大学 麻酔科学教室 講師)
この度、Contrea様と京都大学附属病院医療安全部の先生方とともに麻酔科向け動画コンテンツ作成に携わることができ、大変素晴らしい経験をさせていただきました。麻酔科術前外来における麻酔方法等の説明は術前外来担当医により異なります。また可能な限り平易な表現で説明をしていますが、患者様およびそのご家族様にとって難しい医学用語や麻酔を受けるための注意点など、一度の説明で理解や記憶することは困難な場合があると推察しております。今回完成致しました動画コンテンツはこれらのことを解決することができ、患者様およびそのご家族様や麻酔科術前担当医の全員が満足できるものと確信しております。またこれらの動画コンテンツは医学生・看護学生や研修医への教育コンテンツとしても利用できると考えています。今回完成致しました動画コンテンツが麻酔科から他の診療科へ、更には基礎医学を含めた医学教育へと一気に拡散していくことを期待しております。



・松村由美先生 (京都大学医学部附属病院 医療安全管理部 教授)
私が医療安全に関わるようになって10年以上が経ちました。痛感していることは、インフォームド・コンセントの重要性です。患者さんには、専門的なことは分からないにしても、自分の治療方針についてしっかり納得できていると、治療の結果が良くなる(悪くなる確率を減らす)ことがあることを実感しています。麻酔の説明は、ともすれば、手術に付属している説明と考えられてしまいます。麻酔科の医師の時間の都合もあって、じっくりとご説明できないこともあります。だからこそ、標準的な説明を医師の説明の前に動画でゆっくりとご覧いただいて、分からない部分を医師に聞いていただければと思います。動画の良いところと対面の良いところが補い合う新しい仕組みができたこと、そしてあらかじめ視聴いただいて捻出できた時間を患者さんとのコミュニケーションに活用できることを嬉しく思います。



・加藤果林先生(京都大学医学部附属病院 麻酔科 助教)
多くの病院では、手術直前に紙媒体と口頭で麻酔の説明がされますが、患者様は手術前には手術のことで頭がいっぱいで、麻酔のことを考える、というような心理的状況ではないように感じることがあります。事前の説明動画があれば、ご家庭など心穏やかに過ごせる場所で、一緒に説明を聞きたい方と、何度でも確認することが可能で、しっかりと理解を深めていただけます。また、病院の滞在時間や人との接触を少なくする「withコロナ」時代に最適なツールです。さらに、動画説明は、我々麻酔科医師の負担軽減にもなり、患者管理により多くの時間をあてることができます。本動画は、推敲を重ね、素晴らしいアニメーションもつけられているために、実際の麻酔をイメージしやすくなっています。どんどん高度化・複雑化していく医療の中で、このように一つ一つの医療行為にわかりやすい説明があることが理想だと考えています。


■ 会社概要


会社名:Contrea株式会社
代表者:代表取締役CEO 川端一広
所在地:151-0053 東京都渋谷区代々木1-30-14 代々木ANNEX 014
設立:2020年1月23日
事業内容:病院向けインフォームド・コンセント支援サービス『MediOS』の開発・運営
会社HPhttps://www.contrea.jp/product



■ このプレスリリースに関するお問合せ先


お問合せフォームhttps://www.contrea.jp/contact


(出典)
*1:一般社団法人 日本病院会「2019 年度 勤務医不足と医師の働き方に関するアンケート調査 報告書」
*2:麻酔学会「麻酔科医のマンパワーに関する調査」(https://anesth.or.jp/files/download/news/suggestion20150109-1.pdf
*3:NDBデータを基にContrea株式会社が集計