メタバースの完全分散化を!「Ethanim(イーサニム)」が記者発表会を開催【事後リリース】
Trias Japan株式会社
イシイジロウ氏、安藤武博氏らゲストが多数登壇
メタバースアプリケーションのブロックチェーン移行をシームレスに行うためのインフラストラクチャである「Ethanim(イーサニム)」は2月8日、都内で記者発表会を行いました。 当日は、Ethanimマネージャーの安斎孝明氏がプロジェクトの理念やロードマップを紹介。また、東京大学大学院工学系研究科教授の森川博之氏、Bango plc 日本法人代表の鈴木敦久氏が登壇してあいさつほか、株式会社ストーリーテリング代表でゲームデザイナーのイシイジロウ氏、株式会社シシララ代表取締役でゲームDJの安藤武博氏が特別講演を行いました。
冒頭、Ethanimマネージャーの安斎氏は、メタバース空間を永続的に発展させるための重要な要素として、「メタバースの分散化」と「アプリケーションの永続性」があり、「これがEthanimの設計理念の元になっている」と説明。これらを実現するために、Ethanimではトラステッドコンピューティング技術とブロックチェーン技術を融合させ、「『信頼されていない多数のノード間でコンセンサスを得る』というメカニズムを『ノードを信頼可能な状態にしてから計算させる』というメカニズムへと改革することで、大型のアプリケーションをサポートする性能を確保する」と説明しました。
また、「Ethanimでは、デジタル資産が完全に自分のものになると同時に、アプリケーション間の国境がない形でこれを様々な形で取引できるようになり、さらにこれらの資産が突然失われたり、誰かによっていきなり無価値になったりすることを防いでいる」とその価値を主張。具体的には、「中世をモチーフにしたゲームで使用した剣という装備品を、別の近世をモチーフにしたゲーム内ではミサイルとして使用したり、マーケットで売買したりできるようになる」として、Ethanimのエコシステムが作り出すユーザーメリットを強調しました。
このほか、安斎氏からは、2022年の第3クオーターにEthanimのテストネットがローンチされ、テストネット上でアプリケーションの開発ができるようになると同時に、EthanimのネイティブトークンであるEPUが発行されることなどが紹介されました。
続いて、東京大学大学院の森川教授が登壇。森川教授は、新しいテクノロジーが社会に与える影響について、洗濯機を例に「洗濯機が登場したことで衛生観念が変わり、衣類の市場が一気に拡大した」とした上で、こうした市場の変化を予測できた人はいなかったことに言及。「テクノロジーは集中と分散を繰り返している」ことから、今後、大きな分散化の流れが訪れた場合、「多くの人がこれに参画して考えていくことで、きれいなエコシステムが生まれていく」と強調しました。
次に登壇したBango plcの鈴木氏は、メタバース空間におけるコンテンツの配信と決済をブロックチェーンベースで行う研究が進んでいることに言及。その上で、大型アプリケーションの分散化というEthanimの理念に触れ、「世の中が驚くようなものを」と今後の発展に期待を寄せました。
続いて登壇した株式会社ストーリーテリング代表のイシイジロウ氏は「IPのつくりかたとひろげかた」と題して講演しました。
イシイ氏は、世界的にヒットしたIP(知的財産権)を、ストーリーに重点がある「ストーリーIP」、キャラクターの魅力が強調される「キャラクターIP」、世界観そのものが人気を博している「世界観IP」と独自に分類した上で、「世界観IPへの移行がIPの一つのゴールだ」として、コンテンツが永続的に生き残るための要件を強調しました。
その上で、Ethanimのプラットフォームが、アプリケーション間の自由な接続の実現を目指していることに言及。イシイ氏が今後のトレンドになると分析する「マルチバース(多元宇宙)IP」との親和性の高さに触れ、「映画などのコンテンツがマルチバースに移行していく中で、これをよりリアルに体験できるメタバースは、コンテンツとして非常にチャンスがある」と述べました。
最後に登壇した株式会社シシララ代表取締役の安藤氏は、「ゲームプロデューサーがはじめて本気で考えたメタバース」と題して講演しました。
安藤氏は、これまでのゲーム制作で培ってきた経験をもとに、メタバース上のアプリケーションを含めたコンテンツの作り方について、「なんでもできるはなにもできない。これができるというテーマを創出することがとても重要だ」と主張。その上で、「若い才能は、この一点の創出に突き進む才能を持っている」として、これまでのヒットクリエイターもほとんどが若い世代だったことにも触れ、若い世代の力を生かす重要性を強調しました。
一方、若い世代は「一点に向かって邁進しやすい反面、視野が狭くなる傾向がある」として、資金力や人脈などの面でサポートしていく必要性を述べました。
Ethanimは今後、全てのメタバースのインフラストラクチャおよびその入口として、これからの社会発展、テクノロジー振興に貢献していきたいと考えています。今後の日本での活動にご期待ください。
【関連リンク】
・Ethanim公式サイト
https://www.ethanim.network
・Ethanimホワイトペーパー
https://docs.ethanim.network/whitepaper_jp
・Ethanim公式Twitter
https://twitter.com/Ethanim_Network