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さわってわかったLINE WORKS 第71回

標準仕様と向き合ったLINE WORKS API 2.0が提供開始に

2021年12月08日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

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 仕事で使えるビジネス版LINEである「LINE WORKS」(ワークスモバイルジャパン)の連載では、アカウント作成の基本からビジネスシーンでの活用術、便利なTipsなどを紹介していく予定。第71回は提供開始されたLINE WORKS API 2.0(beta)について解説する。

今後の拡張を考慮し、目的を達成できるように設計されたAPI

 12月7日、LINE WORKS API 2.0(beta)の提供が始まった(関連記事:LINE WORKS、API2.0ベータ版を提供開始)。以前からもLINE WORKSはAPIを提供しており、本連載でも、botなどの外部連携を利用する際、APIの設定を取得する方法などを紹介してきた。新しいLINE WORKS API 2.0とはいったい、どんなものなのだろうか? 今回リニューアルした理由や変更されたポイントなどを伺ってみた。

「もともとLINEとLINE WORKSが似ているので、同じようなbotはすぐできるでしょう、と思われがちでした。しかし、LINE WORKSはメールやグループウェア要素も入っているので、基盤が異なります。それに合わせて、APIもイチからLINE WORKS側で設計しています」とプラニング&ガバナンス本部 プロダクトマーケティングチーム 部長 一柳圭吾氏は語る。

ワークスモバイルジャパン プラニング&ガバナンス本部 プロダクトマーケティングチーム 部長 一柳圭吾氏

 LINE WORKSの独自思想で構築し、ニーズに合わせて建て増し建て増しで機能を増やしてきたところ、拡張性が悪くなり、利用者から見たときにわかりづらくなってしまっていたという。

 例えば、以前のAPIだとリフレッシュトークンが使えなかったり、トークンの有効期間の設定が独特だった。トークンを取得したあと、APIを呼ぶごとに一意のキーを入れるという特殊仕様があったのだ。

 建て増しのように作られたことで、APIのカテゴリーごとにパラーメータ名やレスポンスに一貫性がないものがあった。特定のAPIのみ、デベロッパーコンソールで設定が必要になるなど、LINE WORKS側としては理由はあるのだが、利用者から見て予想通りに動かず、やや使いにくいところがあった。このままではエコシステム拡大のボトルネックになってしまうことが予測された。

 「LINE WORKS API 2.0 (beta) 」では利用者が目的を達成できるようにAPIを設計したそう。まずはリソースやパラメータ、レスポンス、プロパティなどの意味や名前、種類、フォーマット、構造などに一貫性を持たせた。また、認証はOAuth 2.0に準拠したうえ、リフレッシュトークンを使えるようになり、独自キーを使わずにAPIをリクエストできるようになった。

「今後の拡張性も考え、より一般的になったということです。連携モジュールを開発するお客様やパートナー様はより取り組みやすくなると思います。独自仕様を排除し、単純明快で予測可能なAPIにしました」とワークスモバイルジャパン 事業企画本部/プロダクトマーケティングチーム シニアサービスプランニングマネージャー 古澤浩氏は説明する。

ワークスモバイルジャパン 事業企画本部/プロダクトマーケティングチーム シニアサービスプランニングマネージャー 古澤浩氏

API 2.0は、Freeプランで利用できる機能も拡充されている

 利用者の拡大を狙い、Freeプランで利用できるAPIの機能を拡充した。従来はトークBotのみの対応で、掲示板やカレンダーなどの機能にアクセスするには有料プランの契約が必要だった。しかし、今回のリニューアルで、掲示板やカレンダー、アドレス帳なども参照できるようになった。その代わり、すべてのAPIについてRate limitを明確にし、適切なシステム設計がやりやすくなった。

 Freeプランはあくまで参照がメイン。もっと深く操作するなら有料プランの契約が必要になる。

「かなり大きな変更になるので、まずはベータという形でリリースさせていただきます。ユーザーさんに触っていただいて検証し、年明けくらいには、正式リリースに切り替る予定です」(一柳氏)

 すでにLINE WORKS Developer Consoleを開くと、「API 2.0(beta)」が利用できるようになっている。画面のUIも随分すっきりしている。

 気になるのは既存APIを使っているユーザーだが、まずはそのまま利用を続けられる。年明けの正式リリースから一定期間の延命期間を設けるという。それまでは、新旧両方のAPIを利用できるということだ。

「API 2.0(beta)」の設定画面

従来のAPIも暫くは利用し続けられる

 近年、ローコードプラットフォームが普及しており、プログラミングなしにユーザーが高度なカスタマイズが行なえるようになってきている。LINE WORKSはどうするのか伺ったところ、以前から検討はしているとのこと。とはいえ、まず第一段階として、APIを標準化して外部連携しやすくするといった地盤固めを行なったそう。

 LINE WORKSのAPIは公認している連携ソリューションだけで120を超え、ユーザー側が開発したものも200~300種類はあると予測されている。やはり、LINE WORKSで外部情報を閲覧したり、操作したりできるのは便利だ。今回の新API投入でさらにLINE WORKSの活用が進むことだろう。
 

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