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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第631回

Ice lakeとはまるで異なるSapphire Rapidsの構造 インテル CPUロードマップ

2021年09月06日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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Sapphire Rapidsの構成が判明
タイルの面積は約400平方mm

 詳細な構成(コア数やSKU)は製品出荷のタイミングで公開する、という話で一切説明はなく、性能という意味ではAMXの性能や、Microserviceでの性能がCascade Lake比で69%向上すると説明しているが、Ice Lake-SP比だと37%程の向上でしかない辺りは少し「?」ではある。

これは実際の性能というよりは、AMXを利用した場合の理論性能をAVX512と比較しただけである

Microserviceでの性能がCascade Lake比で69%向上するという。こちらもシミュレーションで、しかもなにをどう比較しているのか不明である

 Hot Chipsのカンファレンスセッションでの情報はこの程度であり、メモリーコントローラー周りやPCIe/HBMに関する話は連載629回のスライドで示したものそのままなのだが、カンファレンスに先立って行なわれたチュートリアルセッションでびっくりの情報が出てきた。これはインテルのパッケージ技術の紹介で、実際の製品の構成を説明するものだが、EMIBの実装例としてSapphire Rapidsの構成が出てきた。

先にSapphire Rapidsのタイルの面積が約400mm2と書いたが、根拠はこのスライドである

 ここから以下のことが読み取れる。

  • (1)HBMの有り無しでパッケージが異なる
  • (2)HBM無しの場合であっても、4つのタイルの接続に10個のEMIBが使われている

 それともう1つ、カンファレンスセッションの質疑応答で以下のことも確認された。

  • (3)HBMコントローラーとDDR5のコントローラーは別になっている

 まず問題になるのが(2)だ。前述のSapphire Rapidsの構成画像を見る限りEMIBは4つであるので、下図のような配置で接続されると想定していた。

筆者が想定していたSapphire Rapidsの配置図

 この場合、内部は下の図になるという想定だ。各々のタイルから3本づつUPIが出て、うち2本はタイル間の接続に、残る4本が外部接続に利用される格好だ。

筆者が想定していたSapphire Rapidsの内部構成

 これはこれで筋が通ってはいるのだが、EMIB×10だとすると辻褄がまるで合わなくなる。となると、やはり実際には下図のように斜め方向のUPI接続も行なわれている可能性が高い。

斜め方向のUPI接続を加えた配置

 構造で言えば下図のような形だ。

斜め方向のUPI接続を加えた構成

 問題は、EMIBでどうやってこの斜めの交差を実現するか? である。これに関してまだ明確な説明はなされていないのだが、筆者が考えた案の1つは下図のような立体交差だ。

筆者が予想する、斜めの交差を実現するための立体交差案

 Tikle 1とTile 4は通常の埋め込み型EMIBを取り、Tile 2と3の間は中にEMIBを仕込んだ立体構造のブリッジを構築、これでつなぐという仕組みである。これが合っているかどうかは定かではないが、10個というEMIBの数を考えるとなにかしらトリックがあると思われる。このあたりは製品発表時に情報が公開されるのではないかと思う(というか、期待したい)。

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