Sapphire Rapidsの構成が判明
タイルの面積は約400平方mm
詳細な構成(コア数やSKU)は製品出荷のタイミングで公開する、という話で一切説明はなく、性能という意味ではAMXの性能や、Microserviceでの性能がCascade Lake比で69%向上すると説明しているが、Ice Lake-SP比だと37%程の向上でしかない辺りは少し「?」ではある。
Hot Chipsのカンファレンスセッションでの情報はこの程度であり、メモリーコントローラー周りやPCIe/HBMに関する話は連載629回のスライドで示したものそのままなのだが、カンファレンスに先立って行なわれたチュートリアルセッションでびっくりの情報が出てきた。これはインテルのパッケージ技術の紹介で、実際の製品の構成を説明するものだが、EMIBの実装例としてSapphire Rapidsの構成が出てきた。
ここから以下のことが読み取れる。
- (1)HBMの有り無しでパッケージが異なる
- (2)HBM無しの場合であっても、4つのタイルの接続に10個のEMIBが使われている
それともう1つ、カンファレンスセッションの質疑応答で以下のことも確認された。
- (3)HBMコントローラーとDDR5のコントローラーは別になっている
まず問題になるのが(2)だ。前述のSapphire Rapidsの構成画像を見る限りEMIBは4つであるので、下図のような配置で接続されると想定していた。
この場合、内部は下の図になるという想定だ。各々のタイルから3本づつUPIが出て、うち2本はタイル間の接続に、残る4本が外部接続に利用される格好だ。
これはこれで筋が通ってはいるのだが、EMIB×10だとすると辻褄がまるで合わなくなる。となると、やはり実際には下図のように斜め方向のUPI接続も行なわれている可能性が高い。
構造で言えば下図のような形だ。
問題は、EMIBでどうやってこの斜めの交差を実現するか? である。これに関してまだ明確な説明はなされていないのだが、筆者が考えた案の1つは下図のような立体交差だ。
Tikle 1とTile 4は通常の埋め込み型EMIBを取り、Tile 2と3の間は中にEMIBを仕込んだ立体構造のブリッジを構築、これでつなぐという仕組みである。これが合っているかどうかは定かではないが、10個というEMIBの数を考えるとなにかしらトリックがあると思われる。このあたりは製品発表時に情報が公開されるのではないかと思う(というか、期待したい)。
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