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四本淑三の「ガレージ・ギークス!」 第9回

日本製のトルクレンチはいいぞ

2021年06月19日 12時00分更新

文● 四本淑三 編集● ASCII

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アナログな手応えがたまらん

 そんな安心感と同時に、想定外だったのが工具としての質感の高さ。計測器なので正確でありさえすればいいのだが、この製品は所有欲すら満たしてくれる。ホイールナットに使うものと比べると、ちっちゃくてかわいいし、密度感も高く、いかにもハンドツールという持ちごたえもいい。

 油のついた手で操作する前提だから、梨地の本体にはローレット加工が施されている。無骨さと同時に繊細な手触りも合わせ持つ、なかなかの仕上がりだ。それにプラスチックの部品がどこにもないのがいい。いかにも長く使えそうな感じがする。

 ただ、昔ながらのコイルばね式なので、トルク設定はぐるぐるとつまみを回さなければならない。そして計測が終わったらつまみを緩め、設定値をゼロに戻さなければならない。ばねが縮んで誤差が増えるからだ。

 そこを嫌うなら選択肢としてはドイツのスタビレーもあった。あちらの設定はスライド式だから早い。そしてコイルではなく板バネ式なので、設定値を戻す必要もない。さすが世界初のトルクレンチメーカーはすごい。しかしプラスチックが多用されていて、値段も3倍くらいする。それはさすがに高い。

 もうひとつKTCの「トルクル」も選択肢のひとつだった。デジタル式だから設定は楽だし、値をスマホやタブレットに表示してリアルタイムで直読できる。が、Bluetoothで接続しないと何もできない。それに設定トルクに達した「カチッ」という音と手応え。あの機械式のキリの良さ、気持ち良さはない。

 やっぱり精密な機械が仕事している感じ。あれがいいんですよ。

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