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マツダ・787Bやランチア・ストラトスも! レースの歴史をオートモビル カウンシル2021で振り返る

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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市販車のイメージを強くするため投入
フィアット/アバルト131ラリー

 1970年代、フィアット・グループの傘下にあったランチアのストラトスがWRCを席巻していた。その圧倒的な強さは認めるものの、市販車との関係性が薄いことからフィアット首脳陣はランチア・ストラトスでのワークス活動を中止し、市販量販車のイメージを継ぐラリーカーでの参戦に舵を切ることにした。そこでフィアット131をベースに、1971年にフィアット傘下に入ったアバルトがグループ4車両規定に対応したマシンを開発。それがアバルト131ラリーだ。参戦は76年からで、フロントに2リッターエンジンを置いたFRレイアウトは目新しさはないものの、アバルトマジックにより77年~80年の3度に渡ってフィアットにタイトルをもたらした。

後年、さまざまなクルマに影響を与えた
ランチア/ラリー 037 エボリューション2

 アバルトが開発を担当し、ランチアブランドで1982年のWRCに参戦したモデル。ターボエンジンおよびアウディ/クアトロに代表される四輪駆動が隆盛をみせるなかで、最後のミッドシップ・リアドライブのマシンとしてタイトルを獲得した。機能美を感じさせるボディーデザインはピニンファリーナによるもので、エンジンはアバルト131ラリーで熟成が進んだスーパーチャージャー付き2111cc直列4気筒DOHCを横置きにマウント。

 エボリューション2は、シャシーやボディーの一部にカーボンやチタンを用いて軽量化し、エンジンも大容量ターボチャージャーへと変更したモデル。ランチア・ラリー037は、その後フェラーリF40や、Honda NSXといったミッドシップレイアウトのスポーツモデルに大きな影響を与えた。

昭和の名車
ダットサン/ブルーバード 1600SSS

 SSSとはスーパー・スポーツ・セダンの略称。1.6リットル4気筒SOHCエンジンに4輪独立懸架のサスペンションを搭載した、1970年当時としては先進的な1台。1970年の東アフリカ・サファリラリーで、豪雨に見舞われる最悪のコンディションの中、総合1位、2位、4位に入賞し、日本車として初めてクラス/チームの3冠完全制覇した。

フェアレディZの初期モデル
ダットサン/240Z

 1970年代前半のラリーシーンは、FFのミニ、RRのポルシェやアルピーヌが活躍していた。その中でフロントに2400cc直6エンジンを置き、リアで駆動するFR車両で参戦したのが、ダットサン240Zである。モンテカルロラリーでポルシェを追い回す活躍をみせて3位に入賞。FRらしいニュートラルな操安性と日産の技術力を世界中に見せつけた。

サファリラリー4連覇の偉業
ダットサン/バイオレットGT

 1977年に発売を開始したA10型ダットサン・バイオレットは、日産のWRC参戦の主力マシンとなり、1979年から1982年まで史上初の「サファリラリーで4大会連続総合優勝」さらにWRC史上初の「同一ドライバーによる同一イベント4連覇」の偉業を成し遂げたマシンとして知られている。ちなみに1979年と1980年は2バルブヘッドエンジン搭載のグループ2マシン、1981年と1982年は4バルブヘッドエンジン搭載のグループ4マシンでの参戦とエンジンが異なる。

 写真のモデルは82年の優勝車で、230psを発生する直列4気筒DOHC4バルブエンジンが搭載されている。バイオレットは国内でも富士スーパーシルエットレースで好成績を挙げるなど、スポーツ濃度の高い車種であった。

シルビアがベース
ニッサン/240RS

 日産自動車が1983年、当時グループBで争われていたWRCに参戦するために開発した、ラリー競技専用のホモロゲーションモデル。車種名の由来は、搭載するFJ24型(2340cc 直列4気筒 DOHC、240ps)エンジンの馬力に由来すると言われている。ワークスカーは275馬力のNAエンジンとFRレイアウトながら、ランチア・ラリー037に代表される過給機エンジンと、アウディ・クアトロの四輪駆動に対して健闘をみせ、83年のニュージーランドラリーでは2位、85年のサファリラリーでは3位に入賞した。

スバル快進撃の始まり
スバル/インプレッサ 555 WRC

 90年代後半からWRCを席巻したスバル。その戦闘マシンがインプレッサだ。水平対向4気筒エンジンと四輪駆動という、スバルが長年培った技術に磨きをかけ、3年連続でマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得した。三菱のランサー・エボリューションとの死闘は今でも語り草だ。

ハッチバックになったインプレッサ
スバル/インプレッサ WRC

 スバルがWRCの2008年シーズン途中、アクロポリスから投入したのがハッチバックタイプのインプレッサだ。エンジン以外はすべて刷新され、大型化されたボディーはダウンフォースが増量と共に、ロングホイールベース化による操安性の向上に寄与。2005年以来勝利から遠ざかっていたが、ペタ―・ソルベルグがいきなり2位表彰台を獲得するなど、高い戦闘力をみせつけた

トヨタのル・マン参戦マシン
トヨタ/GT-One TS020

 トヨタが1998年のル・マン24時間レース参戦に向けて開発したレーシングカー。それまでの日本国内ではなく、ドイツのケルンに拠点を置くトヨタのレース子会社トヨタ・チーム・ヨーロッパ (TTE) で開発された。15台が生産され、LMGT1規定のため、実際に販売されることはなかったものの、ロードゴーイングバージョンも存在する。98年には3台が出走。圧倒的な速さをみせるものの、ミッショントラブルが頻発。2台が序盤で戦線離脱。残り1台もトラブルを抱えるものの、1位を走行。しかし残り1時間15分のところで3度目のミッショントラブルが発生し、ピットに戻ることができずリタイア。翌年も3台のTS020で参戦するも、2台がクラッシュしてリタイア。残り1台は先頭を走るBMWを射程に捉えるものの、ユノ・ディエールのストレートでタイヤがバースト。クラッシュは免れたものの、総合2位でレースを終えた。

 トヨタがル・マン24時間レースを制したのは、それから18年後の2017年のことである。

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