ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第605回
Radeon RX 6700 XTのダイは6800 XTの6割程度の大きさ AMD GPUロードマップ
2021年03月08日 12時00分更新
今週はAIプロセッサーの話はお休みいただき、3月3日(日本時間だと3月4日深夜)に発表された、Radeon RX 6700 XTの話をしたい。すでに速報、およびハッチセンパイによるもう少し細かい話は掲載されているので、それ以外の話と補足をいくつか説明していく。
NAVI 22のダイはNAVI 21の6割程度の大きさ
発表会のビデオそのものはAMDのサイトから視聴できるが、このビデオの4分9秒付近で示されたのが下の画像だ。
左がRadeon RX 6800/6800XT/6900XTに使われているNavi 21で、右が今回Radeon RX 6700 XTでデビューしたNavi 22である。以前連載587回で、このNavi 22のダイを推定したわけだが、そう大きく外れなかったことに安堵している。
さて、下の画像は上の画像にあるNavi 22の位置をずらして並べたものだ。パッケージ全体はNavi 21/Navi 22共に正方形(縦横同一寸法)になっている。そのパッケージサイズそのものは未公開なのだが、幸いにNavi 21のダイサイズは519.8mm2と発表されているので、この数字を元に換算すると、Navi 21のパッケージサイズは46×46mm、Navi 22は37×37mmと推定できる。
次にダイサイズだ。上の画像のNavi 22の方を回転させ、ダイ同士を並べてみたのが下の画像だ。Navi 21では長方形であるが、Navi 22ではダイそのものも正方形であった。となるとダイサイズは横方向の長さの比になるわけで、ここから320.4mm2という計算になる。
そもそもが粗い画像である。なにせ上の画像で言えばNavi 21が451×278ピクセル、Navi 22が278×278ピクセルでしかない。その上の画像も同じ縮尺なのだが、こちらで言えばNavi 21のパッケージ(一辺46mm)が719ピクセル相当、つまり1mmあたり15.6ピクセルほどで、それなりに誤差はありそうな感じではあるが、大きくは外れていないと思う。
連載587回の最後で「半分とは言わないが、6割程度のダイサイズで完結しそうである」と書いたが、実際Navi 22はNavi 21の61.6%ほどのダイサイズで実現したわけで、わりと良い推定だったと思う。

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