オーティコン補聴器、世界初 補聴器専用DNN搭載、「オーティコン モア」登場!
デマント・ジャパン株式会社 オーティコン補聴器
~1,200万の現実世界の様々な音の情景を学習済みのDNN(ディープニューラルネットワーク)を搭載し、音の情景の全体像を脳に届け、より自然でクリアな聞こえを実現~
110余年の歴史を持ち、デンマークに本社を置く補聴器メーカー、オーティコン補聴器(本社:神奈川県川崎市、プレジデント:木下 聡、 以下 オーティコン)は、先進補聴器「Oticon More(TM)(オーティコン モア、以下 モア)」を2021年2月26日(金)より全国のオーティコン補聴器取り扱い専門店、眼鏡店、百貨店にて販売を開始します。「モア」は、脳にとって意味のあるすべての音にアクセスできるよう設計された*2初の補聴器です*1。これまでの補聴器の信号処理に関するアプローチを根本的に見直し、脳の神経回路を模した高度な人工知能の一つであるDNN(ディープニューラルネットワーク、以下DNN)を採用。脳本来の自然な働きに必要な「音の情景の全体像」を届けます。 スタイルは耳かけ型充電式(ミニRITE R)での展開で、ユーザーの幅広いニーズに合わせ、搭載機能により「モア 1」「モア 2」「モア 3」の3つのプライスポイントを設けています。
<Oticon More™(オーティコン モア)主な特長>
脳が本来持つ自然な働きを最大限に活用し、補聴器ユーザーへより自然でクリアな音を届けます。これにより、難聴にとらわれることなく、人生をもっと豊かに楽しんでいただけます。
オーティコン史上最も高度な知能を持つ、DNNを搭載した世界初*1の補聴器専用プラットフォーム「ポラリス」誕生
・ 「モア」のテクノロジーを処理するためのこれまでにない高度な処理能力と精度(当社、前世代ベロックス Sプラットフォームとの比較)、学習済みDNNの高度なアルゴリズムをリアルタイムで実行するための16倍の容量、2倍の計算能力と処理速度
・ 1,200万もの現実世界の音情報を学習済みのDNN(ディープニューラルネットワーク)をプラットフォームへ直接搭載
オーティコン モア 二大搭載機能
モアサウンド・インテリジェンス機能:周囲のあらゆる音を1秒間に500回スキャンして瞬時に分析。補聴器の 調整時に設定したユーザーの聞こえの好みを反映させ、絶え間なく変化する音の情景に対処する。学習済みのDNNを活用し、一つ一つの音の要素をより明瞭に際立たせ、バランスよく届ける。これにより、より自然でクリアな聞こえが実現する
モアサウンド・アンプリファイア機能:あらゆる音を精密なバランスで増幅する。周囲の音の情景の変化に適応し、高解像度、高音質で最適なバランスを保ちながら、より歪みなく音の増幅を行う
卓越したワイヤレス通信、外部デジタル機器との接続:低エネルギーBluetooth(R)2.4 GHz 技術を搭載し、少ない消費電力でiPhone(R)に加えて、条件を満たすAndroid™端末用との中継器を介さない、直接高品質のストリーミングを提供。また、ステレオサウンドでのワイヤレス外部機器接続が可能
BrainHearing™(ブレインヒアリング)について
オーティコンでは20年以上にわたり、脳から聞こえを考える、「BrainHearing™(ブレインヒアリング)」のコンセプトを補聴器開発の原点に置き、「自然な聞こえ」を追求してきました。JapanTrak2018による調査結果においても、“現在所有されている補聴器の満足度に影響を与える因子”として、「音質/信号処理に関連する項目」が最も重要な因子として挙げられ、特に「自然な音」「音の豊かさ又は忠実な再現」が“最も満足度に対する影響度が高い項目だと読み取れる”、と言及されています。 2016年発売の「オーティコン オープン」では従来の指向性技術を脱却し360°の自然な聞こえを実現。2019年発売の「オーティコン オープンS」では、更にハウリングを事前に検知し予防することで、一日を通して安定した音を最適に届けることを可能としています。
ブレインヒアリングの最新の研究や独立系研究者によるエビデンスにおいて、音を処理する際に聴覚皮質内では「捉える」聴覚サブシステムと「集中する」聴覚サブシステムという、二つのサブシステムが連続的かつ同時に働くことが解明されています。これらの研究*3により、「聞きたい音に焦点を合わせるためには、脳にまず音の情景の全体像を届ける必要があること」が明らかとなりました。
多くの補聴器は従来型の指向性、ノイズ抑制、利得を低減させるハウリングマネージメントシステム、また圧縮増幅などのテクノロジーを用いて難聴に対処しています。指向性技術は、騒がしい環境下において正面の会話を聞きやすくするために、それ以外の音を大きく抑制しています。このアプローチでは脳に届く音の情景が制限されることになり、刻々と変わっていく音環境の中でさまざまな音に耳を傾けることが難しくなると考えられます。
新製品「オーティコン モア」は、最新のブレインヒアリング研究と、『脳が最適に機能するために、すべての音にアクセスする必要があること』を明確に示す独立研究を背景に、脳にとって意味を持つあらゆる音にアクセスできるように設計されています。
従来の常識を再び打破し、新たなアプローチで難聴に対処する
これまでの補聴器は、音声を強調するために背景騒音を抑制し、数学的な理論モデルや人工的な仮説を応用した信号処理を用いて設計されてきました。一方「モア」では、全く異なるアプローチをとっています。従来の常識を再び打ち破り、360°の球形マイクを用いて、現実世界の日常の場面から様々な音を収集。この膨大な現実世界からの音声データを基にDNNを育て上げました。当社は、1,200万もの実際の音の情景を学習させたDNNを補聴器本体に搭載した最初*1の補聴器メーカーとなりました。「モア」に搭載された高度な人工知能DNNは、世界中のほぼすべての音の情景を正確に処理できます。DNNは周囲の音やその変化を詳細に認識し、脳に理想的な聞こえを届けるにはどうあるべきか、学習済みの知能によって対処し快適な聞こえを実現しています。「モア」によって、周囲の音の情景がバランスよく脳に届くことで、ユーザーは様々な聴取環境下でより多くの聞こえを得ることができます。オーティコンはこの新たなアプローチで難聴に対処し、聴覚ケア業界をまた一歩リードします。
EEG(脳波検査)を使用した脳活動の試験によると、「モア」が脳内で音を最大60%明瞭にすることが実証されました*4。これは、周囲の音がどれだけクリアに届いているかを示しています。さらに「モア」は音の情景の全体像を脳に30%多く届け、また別の試験では騒音下での言葉の聞き取りを15%向上させることが明らかになりました。*4
次世代のコネクティビティを実現
「モア」のコネクティビティ機能により、補聴器ユーザーの日々の生活がより便利になります。
•iPhone(R)やAndroid™端末とも直接接続:Made for iPhone(R)補聴器であり、またAndroid™の新たなプロトコルである、補聴器用のオーディオストリーミング(ASHA)とも互換を持ちます。iPhone(R)、iPad(R)、iPodtouch(R)、Android™端末から直接ストリーミングが可能です*5
•オーティコン ONアプリはiPhone(R)やAndroid™スマートフォンに対応したアプリです。補聴器の音量、プログラム変更などを簡単かつ目立たずアプリから調節可能です。新しいストリーミングイコライザによって、音楽や映画音声のストリーミング時にサウンドの微調整が行え、より個別化された聞こえを体験いただけます
•「Oticon RemoteCare(オーティコン・リモートケア)」サービスは、購入後は店舗に足を運ばず、オンラインで補聴器の調整や定期的なフォローアップを受けることが可能な便利なサービスです*6
•IFTTTウェブサービスとの組み合わせによって、IFTTTに対応したスマート器機やサービスの利用が可能です
•便利なアクセサリーを使用し、テレビやその他のBluetooth(R)互換デバイスから直接音声をストリーミングできます。
使いやすい充電式補聴器 「ミニRITE R」
非接触型リチウムイオン充電式を採用しています。3時間の充電で、デジタル機器とのストリーミングを含み1日を通して補聴器の利用が可能です。また、30分間の急速充電でも最大6時間使用できます。充電器はスタイリッシュなデザインで、取り扱いも簡単です。*7
オーティコン補聴器のプレジデント 木下 聡は次のように述べています。
「世界初*1のDNNが搭載された、先進的な補聴器、『オーティコン モア』をお届けできることを大変嬉しく思います。この補聴器に導入された新たなテクノロジーによって、『音の意味を理解するための脳本来の力』をサポートします。補聴器ユーザーは『モア』の装用により認知資源に余裕が生まれ*4、聞き取りが困難なにぎやかな場所でも、周囲との対話やより豊かな聞こえを楽しめます。難聴を未対処のままにしておくことで引きおこされる健康上のリスクを回避することにも役立ちます。『脳本来の自然な働きを活用するためには、脳に音の情景の全体像を届ける必要がある』という、聴覚ケアの新たな視点が重要であり、オーティコン モアこそがこの解決策だと確信しております。聞こえに悩みを抱えていらっしゃる多くの皆様に手に取っていただき、より豊かな音に囲まれ、その方らしく生き生きとした生活を送っていただけたら幸いです」
*1 世界初(DNN を搭載した補聴器)は2020.11 月末時点です。
*2 Santurette, S. & Behrens, T. 2020. The audiology of Oticon More.Oticon Whitepaper.
*3 EEG, Alickovic et al, 2020 – Effects of Hearing Aid Noise Reduction on Early and Late Cortical Representations of Competing Talkers in Noise
MEG, Puuvada & Simon, 2017 - Cortical Representations of Speech in a Multitalker Auditory Scene
Deep Electrodes, O’Sullivan et al, 2019 – Hierarchical Encoding of Attended Auditory Objects in Multi-talker Speech Perception
*4 べロックスSとの比較 Santurette, S., Ng, E. H. N., Juul Jensen, J., & Man K. L., B. (2020).
Oticon More clinical evidence. Oticon Whitepaper.
*5 ASHA(補聴器用オーディオストリーミング):Android 10 以上で、ASHA 対応器種に対応、その他のアンドロイド端末ではコネクトクリップを併用
*6 遠隔での調整サービスの利用に際しては、お買い上げの補聴器販売店がリモートでの調整サービスに対応している必要があります
*7 リチウムイオン充電池のパフォーマンスは、難聴の程度、ライフスタイル、ストリーミングの使用状況によって異なります。
■製品のご紹介
▼「Oticon More™(オーティコン モア)」製品サイト
https://www.oticon.co.jp/hearing-aid-users/hearing-aids/products/more
ブレインヒアリングについて
聴覚の独立研究機関、エリクスホルム研究センター(デンマーク)での長期にわたる聴覚認知や脳研究の結果、誕生した考え方。難聴を補うことを主とした従来の考え方が「イヤ(耳)ヒアリング」であれば、脳を最優先に考えるのが「ブレインヒアリング」です。脳から聞こえを考える製品開発のコンセプトであり、オーティコンの補聴器開発の原点です。
最新の聴覚における革新的、科学的な発見を通じて、脳が本来の働きを発揮するためには、あるがままの自然の情景を届けることが最善であることが示されています。この大きな発見は、私たちが進むべき次のステップを明確に示しています。
<ブレインヒアリングのメリット>
•選択的注意を向上
•脳により多くのスピーチキュー(言葉の手がかり)を届ける
•記憶想起の向上
•聞く労力の軽減
•会話の理解の向上
<ブレインヒアリングテクノロジー>
2010年:ノイズの多い環境でも音声の詳細を保持する優れた適応型圧縮技術である“スピーチガード”を発表
2016年:オーティコン オープンにより、従来の指向性に異論を唱え、360°からの音声を難聴者に届ける聴覚ケアのパラダイムシフトをもたらす。バランスよく360° の音の情景を届け、言葉と言葉の間にあるノイズでさえも素早く抑制する“オープンサウンドナビゲーター”を発表
2019年:ハウリングが発生する前に検知して予防し、一日を通して最適な音を届ける“オープンサウンドオプティマイザー”を発表
2021年:オーティコン モアに搭載された新機能で、より明瞭なコントラストとバランスをもって、音の情景の全体像へアクセスを可能にする”モアサウンド・インテリジェンス“、及びすべての音に対して正確にバランスの取れた増幅を行う”モアサウンド・アンプリファイア“を発表
■オーティコン補聴器について
補聴器業界におけるパイオニアであるオーティコン社(Oticon A/S)は、デンマークを本社とする世界的な企業で、16,000人以上の従業員を有するデマントグループの傘下にあります。 日本市場においては1973年より製品の製造・販売を行っています(https://www.oticon.co.jp)。オーティコンの新しい企業理念「Life-changing technology(ライフチェンジング テクノロジー)」とは、「難聴による制限のない世界、補聴器が難聴者の生活に溶け込み、難聴により引き起こされる健康リスクを抑えながら、その人らしく充実した人生を送る手助けとなれるよう、常に最も革新的な補聴器開発をおこなっていくこと」です。オーティコンは先進のノンリニア補聴器、フルデジタル補聴器および人工知能補聴器を開発し、革新的な技術を開拓してきました。また、脳から聞こえを考える、「BrainHearing™(ブレインヒアリング)」を補聴器開発の原点に置いています。先進技術とオージオロジー(聴覚学)を研究するエリクスホルム研究センター(デンマーク)において、約13,000人以上のテストユーザーと世界中から参集した様々な分野の科学者と共に、軽度から高重度、子供用から大人用まで、あらゆる難聴に対応できるよう、常に最先端で革新的な補聴器の開発・製造を行っております。
■デマントグループについて
デマントは、115年前にデンマークのオデンセで補聴器の輸入商から始まり、のちに補聴器の製造や診断機器、人工内耳事業へと参入していきました。現在、聴覚ヘルスケアにおける全ての分野をカバーする世界唯一の企業として、世界130か国以上でビジネスを展開しています。ビジネス領域ごとの売り上げ比率では、補聴器事業が全体の87%を占めており、その他、人工内耳事業4%、診断機器事業が9%を占めています。中核となる補聴器事業ではオーティコン、フィリップス、バーナフォン、ソニックなど複数のブランドを展開しています。また、デマントはウィリアム・デマント財団が所有し、世界で唯一の慈善財団が所有する聴覚ヘルスケア企業です。全デマントグループ16,000人の従業員とともに、聴覚ヘルスケアや聞こえの改善の研究、製品開発を行っています。
▼本リリース掲載サイト
https://www.oticon.co.jp/about/press/center/press-releases/2021/20210224
▼オーティコン補聴器ホームページ
https://www.oticon.co.jp/
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