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「YOXO BOX」イベントレポート 第23回

有志によるイノベーティブ&クリエイティブライフスタイル研究会が発足

みなとみらいで考える 横浜×産学官の街づくり

2021年02月02日 11時00分更新

文● 飯島範久 編集● ASCII STARTUP

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 断続的な開発が進む、横浜市みなとみらい。ここ数年はますます研究開発機関や大企業、大学などが続々と集約され、歴史的な街並みの残る関内やその周辺には、ベンチャー企業の支援の輪が少しずつ広がり始めている。2019年1月に「イノベーション都市・横浜」を宣言し、官民が一体となって、創造性がありもっとこの地で働きたくなる場所を目指してきたが、より「イノベーティブ・クリエイティブな働き方」や「新しい行動様式」を促進する活動が必要と考え、有志たちが「イノベーティブ&クリエイティブライフスタイル研究会」を立ち上げた。

 その活動の第一歩として、2020年10月16日に期間限定でつくられたニッサンパビリオンにて「イノベーティブ&クリエイティブな生活様式を目指して ~横浜だからこそできることを一緒に探求&創出する~」と題したイベントを開催した。今回は、その模様をお届けする。

 今回の登壇者は以下のとおりだ。
・横浜国立大学教育人間科学部教授 河野克典氏
・横浜市経済局 高木秀昭氏
・みなとみらい21 古木淳氏 / 大橋直之氏
・横濱OneMM 日揮 高野俊行氏
・関内まちづくり振興会 後藤清子氏
・日建設計総合研究所 安藤章氏
・日産自動車 三好健宏氏
・Peatix Japan 畑洋一郎氏

 まずは、登壇者それぞれが取り組んでいることやテーマについて語った。

コミュニケーションプロセス(横浜国立大学 河野克典氏)

 「クリエイティブは意識して集中し行動することが大切です。当たり前に集中して行動すると目的は達成される確率は上がります。毎日ちょっとずつでも意識して行動することで、脳のシナプスが働いて体が動くようになるでしょう。脳が慣れてしまったら、次々にシナプスが刺激を与えます。もちろん集中して行動すれば、いい選択、いい決断ができ、いいパフォーマンスが生まれますが、同時に慣れてしまいます。集中して意識して行動することが、創造性をあげて、イノベーションが生まれることになります。たとえコロナ禍であっても、肌感覚のあるコミュニケーションをすることで、持続できると考えています」

イノベーション都市・横浜/YOXOの推進と横浜市の将来像
(横浜市経済局 高木秀昭氏)

 横浜市がイノベーション都市を進めている背景として、現在は地方自治体として全国最大の人口規模を誇るものの、2019年をピークに減少に転じているという。高齢者人口は2025年に100万人に迫る予測もあり、生産人口の減少と高齢者人口の増加で持続・成長可能な社会の実現が急務になっている。

 こうしたなかで、経済成長戦略としては、横浜市中期4カ年計画(2018年から2021年)で、イノベーション創出と戦略的な企業誘致の取り組みをしている。IoTオープンイノベーションパートナーズ(I・TOP横浜)は参画企業が約530社。横浜ライフイノベーションプラットフォーム(LIP.横浜)は約320社。年間50を超える新ビジネスプロジェクトを創出している。

 企業誘致としては、みなとみらいを中心に進めており、2019年に従業員数が11万2000人、1800事業者数、開発は98.8%まで進みました。一方で関内には、歴史が感じられる街並みや海や港を望むロケーションでありながら、オフィス賃料はリーズナブル。アーティストやクリエイター文化コンテンツが集積している、飲食店の充実というメリットがあり、ベンチャー企業の進出が増えてきている。再開発の動きが出てきており、産学産業の拠点となる。みなとみらいと関内、両エリアの人材が交流することで、さらに新しいビジネスを生み出すようなイノベーションエリアにしていきたいとした。

みなとみらい21地区にあるさまざまな企業。

 2019年1月にイノベーション都市・横浜として「YOXO」を起ち上げ、10月には関内に拠点としてYOXO BOXを開設。ベンチャー企業の育成を行ない、卒業したベンチャーは関内を中心に活動。イノベーションスクールやアクセラレータプログラムには、たくさんの人々が参加しており、週1回以上の交流イベントも開催。こうした取り組みが評価され、2020年7月にグローバル選定都市としても認定された。

 高木氏は「現在、イノベーション都市・横浜推進協議会を来年3月を目指して立ち上げようとしています。ここにくればいろんな人につながったり、人材育成ができたり、実証実験の場や発信イベントを行なったりなどの取り組みをしていきます。賛同してくれることをお願いします」と語った。

みなとみらいを素晴らしい街へと変貌させるために
(横濱OneMMメンバー 日揮 高野俊行氏)

 「みなとみらいの良さって何か。街として人を惹きつけること。街並みとしてもきれいで、働く環境としてもすばらしい。研究開発機関やエンジニアリング会社が多く、そのすべての企業が徒歩圏内にあり、これは日本中探してもなかなかない環境です」と語ったのは、One MinatoMirai(OneMM・おねむ)メンバーである日揮の高野俊行氏だ。

主な研究開発機関やエンジニアリング会社、教育機関、コワーキングスペースの所在地。みなとみらいの空間に密集している。

 OneMMは、賛同してくれたみなとみらいにある企業で、さまざまな話し合いを行なってきている。そこでは、自分たちの会社が何をしているかをアピール。そして、自分たちの野望を知ってもらい、自分たちで何ができるのかをディスカッションしてきたという。

 やりたいことがある人は手を上げて、人が集まればプロジェクトはスタート。今取り組んでいるのが企業対抗eスポーツ対決で、人間の成長をドラゴンクエストのように楽しく測れないかを目的に企画している。

 ほかにもSDGsスタンプラリーとして小学校でSDGsとは何なのかをゲーム感覚で理解してもらう活動を行なった。企業がどのような取り組みをしているのかを紹介したが、子供たちの興味津々の様子が印象的だったという。

 高野氏は「僕らは何をしたいのか。“ミライスト”という働き方、企業の壁を超えて、誰でもどこでも働ける環境を目指しています。そうすることで、アイデア多発都市みなとみらいとなります。イノベーションは掛け算。さまざまな企業の得意なところをかけ合わせることで、新たなアイデアが生まれます。有志活動にもかかわらず、本業が忙しい人も参加しています。ぜひ、上層部も認めていただきたい。この活動を達成するには、給料をどうするのか、機密保持をどうするのかといったことを解決しなければなりません。やめるのはカンタンです。でも一度きりの人生を楽しみたいという思いでがんばっています」と活動への賛同を訴えた。

関内の次世代イノベーター育成と教育
(関内まちづくり振興会 後藤清子氏)

 関内のある中区は、在留外国人の比率が日本第5位(2017年6月発表資料より)で、特に関内周辺は非常に多い。神奈川大学がみなとみらいに、関東学院大学が関内キャンパスを計画するなど、産学官民がリアルに集まる場所だ。関内まちづくり振興会の後藤清子氏は「関内は多様性すぎる街であり可能性が大きい街。オープンマインドが息づき、古い人も新しい人も入り組んでいます」と関内の魅力を語った。

 なぜこんなに多彩な人なのか。振興会のメンバーは2005年ごろからはじまった芸術不動産事業の恩恵受給者が多いという。関内の空きビルに目をつけ、そこにクリエイターを呼ぶという事業で、想像性の高い事業者を巻き込み、かつ住民の理解を得て課題を抽出することで、教育や小規模実験の染み込みやすい素地を生んだとした。

 地域食堂として活動するなど、福祉や復興支援など、地域に根ざしたものは受け入れられやすいと感じているという。しかし、まだまだ手が足りず、学校と連携したり、地方と連携したりもできるが、もっとイノベーターがほしいと課題も多いそうだ。

 後藤氏は「課題解決のネットワークづくりで、自治体も近いことから、関内は基盤がつくりやすく、持続可能な街づくりのモデルを目指すことができると思っています。これからも希望をもって教育や福祉をベースに、イノベーターや学生がフォーカスされて動ける仕組みがあるといいと考えています」と語った。

各地の街づくり取り組み事例を紹介
(日建設計総合研究路 安藤章氏)

 日建設計は、みなとみらいにおいて、インターコンチネンタルホテルやクイーンズスクエアの設計を手掛けた企業だ。街づくりが今、技術という点でどういう方向へ向かっているのかが紹介された。

 いま、スマートシティが注目されている。以前はエネルギーを使わない街という概念だったが、最近はモビリティや健康など幅広いジャンルを含めたものになっており、いかにスマートに人間が幸せになれる街を目指している。

 事例として長野県伊那市では、お年寄りの移動をどのように確保するかが課題で、AIを使った配車システムによって、タクシーで相乗りし目的地へ向かうサービスを行なっているという。

 「今までのような時間に縛られず、経済性を高められるモビリティを作りたいというのがキーワードです。住民が困っていることを解決するためのIT技術やモビリティ技術を使って取り組んでいます」と安藤氏は語った。

 国土交通省ではスマートシティを全国展開しており、そのなかの1つ札幌市では、健康で長生きできるような街づくりを目指し、街を気持ちよく歩いてもらうことで、脚力をつけて健康になってもらい、医療費を減らそうという取り組みを行なっている。

歩くことで健康ポイントがもらうシステムになっているが、そのときどこを歩いたのかという情報を行政へ提供。そのデータを元に、より歩きやすい道づくりや公園づくりといった街づくりに活かそうとしている。

 また、さいたま市では大宮駅の大改装に合わせて、より効率的な道路やモビリティを再配置しようとしている。たとえば、駅前に巨大なバスターミナルが必要と考えていたが、それよりはモビリティを利用して、少し離れた場所にバスターミナルを設置することを検討している。市民はどのようにバスやタクシーを利用し、クルマはどう動いているのかというデータを収集することで、街づくりに活かそうとしている。

 安藤氏は「市民のみなさんと協力して、街を変えていくという取り組みをスマートシティ推進事業としてやっています。どこの街でも問題になってくるのが高齢者で、免許を返納することも話題になっていますが、なかなか進んでいません。なぜなら地方では代替の交通手段がないからです。そのため、自動運転の車両を使うことで、人件費を削減し、経営が成り立つようにしたり、誰もいないバス停を通過するより、必要とされる場所へ向かって運ぶ方が、無駄な走りを低減し環境にもよくなると考えています」と自動運転を取り入れた街づくりについて言及した。

先端技術が街を変える可能性
(日産自動車 三好健宏氏)

 日産自動車としては、渋滞や事故が低減する車両づくりを目指しているが、それが街づくりにどう結びつくのかを紹介した。

技術というのは、バブルのようにピークを迎え、その後廃れてしまい、いくつかだけが生き残るという。今なら5GやMR、自動運転という技術が注目を集めている。

 ネットショップやテレワークの発展ともに、外出しなくても生きていける時代になっている。そのため、建物などの外観にこだわる必要がなく、ずっと家にいて肥満になりやすくなってしまう。便利な世の中になることはいいが、誰もつまらない街になることを望んでいないはずだ。

 三好氏は「モビリティサービスは、クルマが自動で動くだけでなく、スマホと組み合わせて、どのような交通手段で移動するかなど、知らない場所でもスムーズに移動できる世界を目指しています」と語った。

 人間は働いている場所でも、近くのお店に入る程度で、街を楽しんではいない。それを技術の力で移動させられないものか。それを検証すべく、横浜黄金町へ人を移動させるという実証実験を行なっている。

 その結果、さまざまな意見は出たものの、半分ぐらいの人は、こうやって誘導されるのもいいという評価をしている。駅周辺に人が集中してしまいがちなところを、少し離れた場所に拠点(ハブ)を作り、離れた場所へスムーズに移動させることで、エリアの活性化が狙えると感じているという。

事業概要。オフィス街と官庁街、旧市街地という3つのエリアを、モビリティを活用することで、さまざまな人と活性化したり、発想が生まれたりを期待している。

 「多くの人が行き来できるように、自動運転を活用することで、みんなが移動するとは限りません。しかし、クルマの技術だけでなく、地図情報や決済情報など、さまざまなサービスとどうつなぐかによって変わっていくはずです。街がどうなりたいのか、住んでいる人がどう住みたいのか、それを踏まえて技術を活用したサービスの提供を目指しています」と三好氏は語った。

みんなが思う横浜、横浜らしさとは

 ここからは、今回の登壇者によるディスカッションとして、事前にアンケート調査した結果を元に話を進められた。モデレーターは畑洋一郎氏だ。

――事前アンケートでいただいた質問で、「横浜は思ったより閉じたイメージがある」とのこと。どのようにしたら、より開放的なイメージになると思いますか?

 事前のアンケートによる横浜に対して思うこと。

高木氏 横浜はオープンな気質があると思っています。オープンイノベーションの取り組みについても、横浜の発展に結びつくものであれば、積極的に支援していきたいと考えています。スタートアップ支援などとも連携し、パートナーシップとしてやっていきます。

――外から見ると、オープンになりきれていない面もあるかもしれませんが、横浜市はだいぶ変わってきているという印象を持っています。オープンという点について後藤さんいかがでしょう。

後藤氏 もともと関内は古い個店や中小企業の街なので、古美術と飲食の街という位置づけだったものが、2000年になって芸術不動産のおかげで、クリエイターやイノベーターがどんどん入り込んできました。関内としては、横浜市と協力して民間でやっていかないと、市民もスタートアップも入り込めないというのが現状です。誰でもウェルカムな状態なので、もし閉じている雰囲気を感じている人がいるなら、それは正直タイミングが悪かったのではと思います。OneMMのような若くて活気のある人たちがいるので、一歩踏み込んでほしいし、われわれの活動に参加してほしいですね。

――みなとみらいはだいぶ変わりましたが、こうしていきたいということはありますか?

大橋氏 みなとみらいは1983年に基盤整備の着工をし、どんどん開発が進んで、ようやく開発の90%以上を達成しています。当初は新しい建物を建てることが、主な目標でしたが、今後はオープンイノベーションを目指し、世界に開かれたみなとみらいを目指して発信していきたいと思っています。こんなにコンパクトな場所に、さまざまな研究開発施設や企業が集まっていることは奇跡なことです。今後協議会を起ち上げて進めていければ、つながりが生まれて、さらに発展が望めるでしょう。

――企業間のつながりは、最初のきっかけが人単位となることが多いと思いますが、課題はなんでしょう。

高木氏 直面している課題は、本業との棲み分けですね。大企業に所属しているなかで、そのリソースを使いつつ、イノベーションをつくっていくという壁を超えるにはどうすべきなのか。それにはまず、自分たちのレベルで成果を出すことでしょう。もう一方でマネージメントクラスでも、みなとみらいという地でイノベーションを起こすことも必要だと思います。両方向の動きが実現すれば、目標を達成できると考えています。「OneMMエグゼクティブ」というのを横浜市がつくってくれることを期待しています。

――つながりをつくっていくことは、街づくりも1つのプットフォームとしての土壌があると思います。街づくりの目線でつながりを生み出すにはどうすべきでしょう。

安藤氏 アメリカの学者の著書によると、クリエイティブな街をつくるのに必要なことは、多様性だとしています。LGBTというのが世の中に広まってきましたが、そういった寛容性がある街であることがクリエイティブには重要だと思います。もう1つが歴史を活かす街づくり。たとえば、再開発でも古い建物を壊すのではなく、それを残しながらリノベーションし、新たなインキュベーターが集まるようにすることが大切です。また、垣根のない街。人と人が交わって新しいものが生まれていくことが大事で、横浜市はオープンで人が集まりやすいと思っています。一方で歴史も観光もあるので、クリエイティブシティーとしていろいろな要素を持っています。

 これから頑張ってほしいのが、移動性のある街です。クルマに頼りすぎず、うまく移動できる仕組みができることが望ましいです。ダイバーシティの人たちが横浜に住んだときに、自由に動ける街にすることで、オープンでクリエイティブな街になっていくのではと考えています。

――移動手段の話がでましたが、日産が考える移動手段とはどういうものもでしょう。

三好氏 最近クルマはない方がいいということをよく耳にします。街づくりにおいてクルマは、渋滞を起こしたり、排気ガスによる環境悪化、道幅を広くすると、賑わいがなくなってしまうなど、悪でしかありません。ただ、クルマという移動手段があることで、離れた場所へ足を運ぶ機会が増えるので、クリマをなくすのではなく、歩きとクルマの共存の議論ができればいいと思っています。

――移動手段と言いながら、クルマは乗る楽しみもあると思っています。クルマ好きは、乗ることが好きで、その上で移動もできるという考えではないでしょうか。インフラ的部分と楽しみがつながると、移動が楽しくなり活性化すると考えます。

横浜にもっと必要なものとは

――オープンといいつつ閉塞感を感じるとか、袖を触れあいながらできればいいといった意見があり、そういった課題を解決するにはどうすべきでしょう。

河野氏 自分の夢や要求、課題に対して、自分の企業のリソースをどうやったらうまくバランスして、企業側にもメリットがありつつ課題の解決にもつながるのかを議論する必要はあると思います。それにはコミュニケーションによるつながりというのは非常に大事だと考えます。

――つなげることの1つとして、イノベーションにもつなげていこうと努力されていると思いますが、ベンチャーと大企業をつなげようとYOXOができた背景を簡単にお願いします。

高木氏 他社と結びつきたいけど、なかなか一企業の立場だとハードルが高かったりします。行政などが中立的な立場でつなげるハブになってくれるとありがたいという話をいただき、YOXOをつくりました。新たなイノベーション都市へ進化するために、YOXOの方向性としては、親身にオープンにハブになっていくという取り組みが必要だと考えます。運営体組織もネットワークのハブになる考え方で動いています。

――行政がクロスオーバーとして取り組んでいるので、応援してやっていきたいですね。コミュニティづくりで大事なところとは何でしょうか。

後藤氏 子どもたちが自分の働いている場所に居るというのはなかなかないですが、それを体験すると、街の危険性を感じられるようになり、当事者意識が生まれてきます。子どもと一緒になって良くしてくことを考えられるか。私達は、街を作っても誰のために託すのか、何のためにやるのか、ということを考えたときに、税収も考えるといい街をつくることが、大人としての命題であって、その先に持続可能な街にするにはどうすべきかは、それぞれが考えてもらう必要があります。そういう考えが回る街は、人が住みたくなる街になると思います。子どもやファミリーをしっかり考えることがいちばん入りやすいのではないでしょうか。

――横浜が住と仕事の場所として、いま考えていることとは何でしょうか。

古木氏 エリアマネージメントのあり方を検討していて、オープンイノベーション、ビジネスエコシステムをつくろうということで、協議体をつくる予定です。コミュニティの形成も重要で、企業や住民、多くの人がみなとみらいにいますが、部分的な交流はあるものの、ふだんの生活ではあまり接点がありません。オープンスペースを設けたり、アクティビティスペースを設けたりしていますが、今後は施設をつくるだけでなく、いかにそれらを活用していくかが重要になってきます。

 スマートコミュニティについても検討していて、交通に目を向けるのではなく、移動そのものに注目した街づくりを考えています。できるだけ長い時間、横浜に滞在してもらうには、どういった仕掛けをして、どういった移動手段があればいいのか。コミュニティの形成は今後移動を含めた形で検討していくでしょう。

――最後に活発なコミュニティ形成の実現のために今後どういった方向へいけばいいのでしょうか。

高野氏 みなとみらいだけでなく、周りにはもっと面白い世界が広がっていて、関内にはイノベーターが集まったり、子育ての街になっていたり、本牧の方では大企業がありイノベーターがあり、実際に物がつくれる環境があります。それらが密接になっていることに気が付き、そうなるとモビリティの要素は外せなく、人とアイデアとものづくりが集まるエリアとして、面白いことができるのではと感じました。

後藤氏 関内の具体的な話ができてありがたかったです。子どもはその施設ごとに育ててくれるのがいいという空気がありますが、子どもは0歳からずっと成長していくもの。きちんと成長していく中での街づくりを、このメンバーで見せてあげられるような景色が生まれると、横浜は世界に誇れる街になると思っています。期待しているので、これからもみなさんと交流を続けられることを望んでいます。

安藤氏 昔は、街づくりでモビリティを考えると、自動車対公共交通としいう対立構造でした。しかし、自動運転やAIの仕組みを考えると、この対立構造は古くて、自動車でも公共交通でもない、あらたなモビリティが生まれると思っています。それらを市民と一緒に考えることが大事で、住民がふだん公共交通を利用していないにもかかわらず、廃線にしようとすると反対したりします。赤字は企業が背負うことになるため、市民の中に溶け込んだ、自分たちがつくったというモビリティ像をつくらないと、あれもこれもほしいといって、結局赤字構造から抜け出せません。どんなモビリティが必要なのか住民がしっかり考え、利用してもらう構造であることが大切ですね。

三好氏 街づくりではいろいろな価値を考えてつくっていくべきです。実証実験で地方へ行くと、やりたいことだけやって、すぐ終わってしまうという意見をいただきます。横浜をよくしようというテーマに、交流を盛んにして、つながっていければと思っています。いろいろな仕掛けをしてくれたり、場を設けたりしてくれると、やりやすくなるので、そうやって進めていきたいですね。

大橋氏 市役所の広報だった経験から、発信力は重要だと感じています。いままでもいい取り組みをしてきましたが、もっと横浜市民みんなに伝われば、より参加者が増えると考えています。でもなかなか伝わらないので、どう発信して伝えていくか、しっかりその点を考えていくことで、より輪が広がっていくのではと思います。

高木氏 社会をよくしていこうと、みなさんが集まっているなかで、行政や企業、市民のみなさんを含めて、解決すべき社会課題という未来像を共有し、どうすべきか考えていく必要があります。共創をこれまでもやらせていただきましたが、さらにビジョンを共有してやっていく枠組みが必要だと思っています。働いているみなさんが、いい街だと思えるようにすることが大切なので、みなさんのご意見を頂戴しながら議論していきたいと思います。

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