GeForce RTX 3070と比較しても良い勝負になる
最後に性能について。まずRadeon RX 6800 vs GeForce RTX 2080 Tiの対決は以下の通り。おそらく、GeForce RTX 3070と比較しても良い勝負になるように思われる。

解像度4K、描画品質最大での平均フレームレート比較。正直GeForce RTX 2080 Tiは4Kでフルに使うのは結構厳しいので、Radeon RX 68000も100fps前後のBattlefield VやDoom Ethernal、Forza Horizon 4など以外は、もう少し解像度を落とした方が現実的な気はする
そしてGeForce RTX 3080と真っ向勝負のRadeon RX 6800XTの結果が下の画像。なんでこちらを1440Pで示すのかはよくわからないが、4K60fpsも余裕であろう。
その4Kで、さらにRage Modeまで駆使するとほぼGeForce RTX 3080を凌げるとするが、ただそれでも大きな差とは言い難い。最後がハイエンド同士の争いで、これもなかなか良い争いになっていると思う。
なお、ゲームタイトルとしてはFar Cry 6、World of Warcraft Shadowlands、the RIFT BREAKER、DIRT 5、GODFALLなどがデモされたが、いずれも特徴を紹介する動画が11月に公開される予定である。要するに製品そのものはもう少し先になりそうという話であるが、とりあえず今プレイしているゲームでも十分に性能の恩恵にあずかれるだろう。
かなり競争力がある価格設定
だがRadeon RX 6800だけ価格が高め
冒頭の話に戻ると、Radeon RX 6800XT/6900XTはそれぞれGeForce RTX 3080/3090と価格的にもほぼ同じで、かなり競争力があるように思えるが、唯一高値がついているのがRadeon RX 6800である。579ドルというのは、GeForce RTX 3070の499ドルと比べるとやや差が大きい。
10月30日にGeForce RTX 3070の発売が解禁になり、安いものは7万円切りで購入できるようになったが、Radeon RX 6800で7万を切るのはやや厳しそうに思える。ちなみに価格が高い理由は以下の要素だろう。
Radeon RX 6800が高価な理由 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
同じBig Naviのダイを流用 | GeForce RTX 3070はサイズの小さいGA104を採用している分、安価である。 | |||||
16GBメモリーを搭載 | GeForce RTX 3070は8GBでしかない。 |
ただビデオメモリー8GB分が差額の80ドルだとすれば、これは納得できる価格でもある。昨今次第にメモリーをバカ食いするゲームも増えてきており、その意味では16GBの方が安心度は高い。あるいは、後追いで8GB版も投入されるのかもしれないが、そのあたりは現状明らかになってはいない。
Radeon RX 6800/6800XTは11月18日に、Radeon RX 6900XTは12月8日に、KTU氏の詳細なレポートが上がると思うので、まずはこれを楽しみにお待ちいただきたい。

この連載の記事
- 第705回 メモリーに演算ユニットを内蔵した新興企業のEnCharge AI AIプロセッサーの昨今
- 第704回 自動運転に必要な車載チップを開発するフランスのVSORA AIプロセッサーの昨今
- 第703回 音声にターゲットを絞ったSyntiant AIプロセッサーの昨今
- 第702回 計52製品を発表したSapphire Rapidsの内部構造に新情報 インテル CPUロードマップ
- 第701回 性能が8倍に向上したデータセンター向けAPU「Instinct MI300」 AMD CPUロードマップ
- 第700回 インテルが10年先を見据えた最先端の半導体技術を発表 インテル CPUロードマップ
- 第699回 Foveros Directを2023年後半に出荷 インテル CPUロードマップ
- 第698回 ARA-2の開発を進める謎の会社Kinara AIプロセッサーの昨今
- 第697回 CPUとDSPを融合させたChimeraはまさに半導体のキメラだった AIプロセッサーの昨今
- 第696回 第4世代EPYCのGenoaとBergamoの違いはL3の容量 AMD CPUロードマップ
- 第695回 遅延が問題視されるSapphire Rapidsは今どうなっている? インテル CPUロードマップ
- この連載の一覧へ