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ビッグデータで「人類の情熱」を残す、ドコモ主催コンテスト優勝のAMATELUS

自由視点映像の特許技術「SwipeVideo」が最優秀賞

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docomo 5G DX AWARD 2020でAMATELUS株式会社が優勝。代表取締役CEOの下城 伸也氏(右)と、選評を述べた早稲田大学 大学院 経営管理研究科 客員教授の鶴谷 武親氏(左)

docomo 5G DX AWARDSTM 2020
最優秀賞はAMATELUS株式会社

 NTTドコモとNTTドコモ・ベンチャーズが開催した「docomo 5G DX AWARD 2020」。その最優秀賞として、AMATELUS(アマテラス)株式会社の自由視点映像の特許技術「SwipeVideo」が選ばれた。

 ドコモでは、5Gの商用化にともない、「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」として、パートーナー企業向けに、5Gの仕様や技術の情報提供をしている。また、ワークショップで相互の意見交換をする場を設けている。同社は、このパートナー数を2021年度末までに5000社まで拡大する計画で、さらなる5G商用サービスの拡大を目指し、パートナーとの連携を強化していく予定だ。

 docomo 5G DX AWARD 2020も、企業が保有する特徴的な技術、プロダクト、サービスの発掘を推進し、5Gを活用した新たなソリューションの創出を目的として開催されたもの。

 産業の高度化、働き方改革、街づくり、教育、ヘルスケアをテーマとして、各企業から技術やサービスを募集し、5G商用サービスの活用意義を審査した。

SwipeVideo、どこがスゴい?

 AMATELUS株式会社のSwipeVideoは、自由視点映像映やマルチアングル映像を生成し、配信するシステムだ。

 スマートフォンをSwipe(スワイプ)することで、視点を自由に切り替えられる。同社は「New xR(新型動画)」と呼称し、「これまで放映権者だけが持っていた『スイッチングの権利』を誰もが手に入れることができるサービス」だと説明する。

SwipeVideoは、自由視点映像映やマルチアングル映像を生成し、配信するシステム

3つの形態で事業を展開している

 すでに国際特許も取得し、事業として展開しており、エンタメ、スポーツ、技術教育やECの分野で活用されている。たとえば学校法人仙台育英学園では、体育の授業や部活動にSwipeVideoを取り入れている。体育教諭の菅原 新氏は「いろいろな角度から見られると、生徒からも一歩進んだ質問が出てくるので、教えるスピードが上がっていく」と話す。

学校法人仙台育英学園では体育の授業や部活動に取り入れている

 また新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、通常の開催が難しいイベントでも、SwipeVideoは活用されている。桐生学園では、学園祭を「SwipeVideoオンライン学園祭」として開催。三幸学園が運営する東京ビューティーアート専門学校では、技術を競う全国大会を「SwipeVideoオンラインコンテスト」として開催する予定だ。

未来では、情熱を残す手段はホログラムになると代表取締役CEOの下城 伸也氏は話す

 創業者で代表取締役CEOの下城 伸也氏は、「シンギュラリティー(技術的特異点)に向けて、人類に何が残せるか。私は、人類の情熱的なシーンをリアルにデータで残したいと思うようになりました。人の思いは、絵、写真、動画で残されてきましたが、未来では、ホログラムになると思っています。

 思い出の中を歩けるような世界に向けて、SwipeVideoを展開し、ビッグデータとして蓄積していきたいと考えています」と話した。

「こういう社会を作ります」にグッときた

 今回のコンテストは、5Gとの親和性・活用性、テーマへの適合性およびその優位性、市場における課題の現状およびニーズの規模、新規性、実現性、収益性・拡張性、提供体制という7つの項目で評価された。

docomo 5G DX AWARD 2020の審査基準

 審査員を務めた早稲田大学 大学院 経営管理研究科 客員教授の鶴谷 武親氏はSwipeVideoについて、「いろいろできることは、時としてわかりにくいけど、いろいろできるのに、わかりやすいのが素晴らしい」とコメント。

 「何年か先にどういう夢を見せてくれるのかと、社会全体が夢を求めている時代に、『情熱を残す』『こういう社会を作ります』と言えるところに、グッと心が引きつけられました。

 これまでは、大企業がサービスを展開して、皆はそれについて行くというのが当たり前でした。これからは、『こういう未来を作ります』という人がいて、大企業がそれを精一杯サポートする時代になっていくと思います。それを象徴するような姿勢があって、素晴らしいと思いました」とも話した。

 なお最優秀賞のAMATELUS株式会社(SwipeVideo)には賞金100万円が、優秀賞のHoloeyes株式会社(Holoeyes MD)には賞金30万円が、準優秀賞のKudan株式会社(自己位置推定と環境地図作成を同時に行なうSLAM技術)と株式会社スマートロボティクス(テレワークロボット)には賞金10万円がそれぞれ贈呈された。

 ドコモは今後、これらの入賞企業と、5G活用ソリューションとしての早期のサービス化を目指す。またAMATELUS株式会社のSwipeVideoに関しては、ドコモ主催イベントでの展示や、ドコモ5Gオープンパートナープログラムにおける積極的な情報発信など、プロモーションにも協力していく。

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