筆者は大きな組織の中や企業対企業の中で、仕事をすることがきわめて少なくなり、お約束のオフィス系アプリやユニークでレガシーな社内システムなどを使う機会もなくなった。そんななんちゃってフリーランスの筆者が普段パソコン系の機器でしていることと言えば、原稿書き、企画書作り、オフィス系アプリによる請求書作り、そしてあとはほとんどブラウザー上ですむことばかりだ。
大昔のパソコン時代はWindows系アプリの作業が大半を占め、ブラウザーでやっていたのはネット上での情報検索だけだった記憶がある。自然の流れか、運悪くか、Windows対応の愛用アプリがどんどん消え去って行く中で、ずっとChromebookに注目していたが、長らくChromebookには軽量級モデルが少なく、筆者的には名前は変われど往年の安価だけがウリだったネットブックを思い出すような悪いイメージの商品だった。
筆者を含めICT系のルーツがパソコンにある昭和人間は、どうしてもWindowsやMacなどのパソコンに執着しがちだ。それでも使い勝手がよく、ハッピーならよいとは思うが、少なくともいまだにWindowsを使っている日常は、Windowsのセットアップ時に突然からんでくるコルタナ君をはじめ、面倒なアプリ導入から始まって、ここという大事な時に唐突に始まる長時間のバージョンアップなど、そろそろ環境を見直したい気分になってきている。
企業内の組織に組み込まれていない筆者のようなフリーランスなら、Windowsにこだわる必要性はもはや皆無だ。単に生産性を上げるだけなら、スマホだけでもよいかもしれないし、レガシーなキー入力が欲しければ、キーボード付きのスマホもまだまだ選択肢のひとつだ。何もWindowsにこだわることはないのだ。
そんなことを考え出した数年前にChromebookを知り、いろいろ検討したが、当時は筆者の大好きな軽量モデルがほとんどなく、評判がそこそこの製品を買ってはみたが、すぐに熱が冷めてしまった。
ところが先日、ネットニュースで990gのChromebookの発売を知って、いつも通り他機種と比べることもせずに速攻で衝動買いしてしまった。購入したのは、ASUSのChromebook(C223NA-GJ0018)11.6型の液晶画面(解像度:1366×768ドット WXGA)、CPUはCeleron N3350、メモリー4GB/eMMC32GBを搭載した軽量級のChromebookだ。タッチパネルと360度回転によるタブレット化機能をサポートしない割り切ったスペックで、税込み3万円強の低価格を実現している。
配送されてきてまず最初にやっとことは、重量を測ってみることだった。結果は公開されているスペックより12gも軽くてうれしい987g。片手で持っても軽快だ。そして期待以上にポリカーボネイト製の本体は手触りもよくかつ堅牢だった。
きわめて残念なのは、衝動買いしたChromebookもほかの製品と同じようにWANサポートがないモデルだった。やはり現状では軽量級のChromebookは宅内やオフィス、カフェなどのWi-Fiに依存する安価ななんちゃってパソコンの仲間のようだ。いくら軽くても、周囲のモバイルルータやテザリングに頼っている限り"薄くて平たいポメラ"と同じだ。
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