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石川温のPCスマホニュース解説 第79回

楽天スマホ、周波数「無断変更」の衝撃 なぜキャリアにとって周波数は重要なのか?

2020年06月16日 09時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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●すべての周波数帯に1台で対応するのは不可能

 実際のところ、世界で利用されているすべての周波数帯に1台のスマホで対応するのは不可能だ。

 アップルのiPhoneも、同じiPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Maxでも、地域別に3種類存在している。

 1つがアメリカを中心としたモデルで、さらに中国中心モデル、それ以外の国と地域向けという分け方がされている。

 たとえばアメリカを中心としたモデルなら、アメリカ、カナダ、アメリカ領サモア、ミクロネシア連邦、グアム、プエルトリコ、アメリカ領ヴァージン諸島が対象。中国中心モデルは中国、香港、マカオといった具合だ。

 中国向けiPhoneは、eSIMではなく2枚のSIMカードを入れられるモデルではあるが、それでも細かく見ると対応する周波数帯に違いがあったりする。

 アップルとしても、iPhoneを世界統一にできれば生産コストや管理の面で有利に働くが、どんなに頑張っても、3つに集約するのが精一杯だったのだろう。

 本来、すべての国で同じ周波数帯を使って、スマートフォンの通信が実現できていればいいのだが、国によって様々な電波をいろいろな規格や企業に割り当ててきた歴史や背景があり、どうしても各国で違いが出てきてしまう。

 Androidスマホであれば、それぞれの国やキャリア、ローミングに合わせて、必要最低限な周波数に割り当ててキャリアに納入することがほとんどだ。

 楽天モバイルの場合、Rakuten Miniでは本当に限られた周波数帯しか割り当てることができず、アメリカを優先した一方で、バンド1が犠牲になった。

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