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最新パーツ性能チェック 第298回

Comet Lake-Sことインテル第10世代Coreを第3世代Ryzenや第9世代Coreと比較!

Core i9-10900KとCore i7-10700K、Core i5-10600Kの性能を速攻検証

2020年05月20日 22時00分更新

文● 加藤勝明 編集●ジサトライッペイ

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ゲームでもクロック増の効果を確認

 最後に第10世代Coreプロセッサーがフォーカスするゲーミング性能について、比較的負荷が軽めのFPSゲーム「Rainbow Six Siege」を使って簡単にチェックしよう。APIはVulkanとし、解像度はフルHDに固定、画質は「最高」、レンダースケールは100%とした。内蔵ベンチマーク機能を利用して計測する。

「Rainbow Six Siege」Vulkan、1920×1080ドット時のフレームレート

 最低及び最高フレームレートは変動が激しいタイプのベンチマークなので参考程度に見ていただきたいが、平均フレームレートを追うと前世代のCPUよりも数fps程度上回る結果を見せた。最上位モデル対決(Core i9-10900K対Core i9-9900K)では平均3fps程度しか差がないが、下位モデル対決(Core i5-10600K対Core i5-9600K)では10fpsの差が出ている。ただし、Core i7-10700K対Core i7-9700Kでは差は2fps程度しかないため、HTが解放されたから速くなったわけではなく、クロック上昇のほうが良い結果をもたらしているようだ。

 そして、気になるRyzen勢との対決では平均フレームレートで見事第10世代Coreプロセッサーがすべて上回った。しかしながら、最低フレームレートは安定してRyzen勢のほうが高い値を示し、どちらが優れているかは改めて言うまでもないだろう。平均フレームレートでは僅かに勝てたものの、最低フレームレートが大きく落ち込みやすいのはゲーミングPC用のCPUとして大きなマイナスだ。

 とは言え、ここはベンチマークするゲームタイトルによるところも大きいと思うので(特にRainbow Six Siegeの内蔵ベンチマーク機能は最低と最高の変動が激しい)、改めて続報でほかのタイトルの結果を交えて詳しくお伝えしたい。

まとめ:実質値下げモデルと言えるほどの大規模な価格性能比の改善を実施した次世代CPUへのアップグレードパス

 今回は時間的リソースの都合上、第10世代Coreプロセッサーの速報的検証にとどめる。まだ検証しきれていないゲームタイトルにおけるパフォーマンスや、マルチスレッドが効くクリエイティブ系アプリでのテストについては、後日続編として記事を投下する予定だ。

 だが、今回の速報で紹介した結果から確認できた範囲で言えば、第10世代Coreプロセッサーは従来のCore i9の性能をCore i7に、Core i7の性能をCore i5に下ろした値下げモデルとも言える。最上位のCore i9-10900Kが7万円オーバーだし、第10世代Coreプロセッサーを使うにはマザーボードが買い換えになるので安さは実感しにくいが、ベンチマークをとってみると価格性能比が大きく改善していることがわかる。

 その一方で、「性能は改善されたもののそれまで」という感は拭えない。消費電力は相応に増えているし、純粋なワットパフォーマンスで言えば、依然Ryzenのほうが優れている。今回実質的に14nmプロセス製造で本格的販売が最初に始まった第6世代Coreプロセッサー(14nmプロセスの最初は第5世代CoreプロセッサーだがSKUがかなり限られていた)との比較を入れたが、時代の流れはすさまじく、CINEBENCH R20のマルチスレッドにおいては約3倍の性能アップとなっていた。しかし、悲しいかなここが14nmプロセスの限界なのだ。

 しかし、自作PCはベンチマークの数値やスペックだけで語るものではない。Ryzenがどれだけ優れていようとも、やはり多くのメジャーアプリで定評のある動きをする信頼のインテルプラットフォームで組みたいというユーザーも多いだろう。この点はAMDも昔と比べたらここ数年でかなり改善されてきたところだが、まだインテルのアドバンテージは残されている。PC好きのインテル派に対し、まだインテルは前進を諦めていないとメッセージを出し、次世代に繋がる道筋を示した、という点において第10世代Coreプロセッサーは評価しても良いと感じる。

※お詫びと訂正:記事初出時、Core i5-10600Kの初出実売価格の記述に誤りがありました。記事を訂正してお詫びします。(2020年5月25日)

【特報】6月4日19時~ジサトラKTUで第10世代Coreプロセッサーの特別番組が決定!【自作PCを視聴者プレゼント】

 来る6月4日(木)19時から、デスクトップPC向けインテル第10世代Coreプロセッサーの発売を記念し、アスキーYouTubeチャンネルの「ジサトラKTU #155」にて特別番組を放送します。声優の愛美さんをゲストに迎え、Core i9-10900Kを使った生PC自作を行ないます。作ったPCは愛美さんのサイン入りで抽選1名様にプレゼントする予定です。ぜひご視聴ください!

▽放送情報
放送日: 2020年6月4日(木)
時間 : 19:00~放送予定
番組 : 【自作PCプレゼント】インテル史上最速ゲーミングCPU「Core i9-10900K」で声優の愛美さんが自作PCに初挑戦!:ジサトラKTU #155

▽出演者
ジサトライッペイ(@jisatora_ippei
加藤勝明(KTU)(@kato_kats

▽ゲスト
愛美さん(@aimi_sound
安生健一朗さん(インテル株式会社 技術本部・部長)

 また、自作PC業界の面々が豪華プレゼントをかけたプレゼン&クイズ大会を実施する生番組もアスキーYouTubeチャンネルにて同時配信予定! つばさ&ドリル北村がゲストの方といっしょに第10世代Coreプロセッサーを掘り下げちゃいます! 

▽放送情報
放送日: 2020年6月4日(木)
時間 : 19:00~放送予定
番組 : 【超豪華プレゼント】インテル史上最速ゲーミングCPU「Core i9-10900K」発売記念!自作業界オンラインミーティング

▽出演者
つばさ(@tsubasa_desu
ドリル北村

▽ゲスト
ASRock 原口 有司さん
ASUS 市川彰吾さん
GIGABYTE ソフィアさん
MSI 新宅洪一さん
安生健一朗さん(インテル株式会社 技術本部・部長)

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