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T教授の「戦略的衝動買い」 第577回

失敗を楽しめる人に! 手回しインスタントカメラ「Pixtoss」を衝動買い

2020年04月16日 12時00分更新

文● T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

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お彼岸で谷中にお墓参りに行った日は快晴のお花見日和だった。筆者のメインスマホのHuawei Mate 20 Proで撮影して見た

ほぼ同じ被写体を25mmの広角ピックトスで撮影してみた……

ピックトスでテスト撮影、その結果は?

 さてピックトスによる最初の写真撮影は、お彼岸の日に、家族で自宅近くの谷中にあるお墓参りに行った帰り道に上野公園近辺で撮影してみた。初めてなので、同じ被写体を筆者のスマホ(Huawei Mate 20 Pro)で撮影したモノと比較してみると、案の定、広角ながらピックトスの撮影画像は極めて残念感が漂ってしまう仕上がりだった。

晴れた日の屋外でも、シャッタースピード80分の1、絞りF11で撮影すると、明るいところはより明るく、暗いところはより暗く映ってこんな感じになってしまう

 そもそも時代の最先端のスマホカメラでの撮影写真と、トイカメラでの影写真の質を比べること自体が愚の骨頂だ。ピックトスはシャッタースピードが80分の1秒だけ、絞りもF11の固定、焦点距離はf=45.5mm(35mm換算25.5mm)そして適正撮影距離は0.5m〜1.0m。そもそもこういうスタティックで無機質な写真を撮影してはイケないのだ。

 トイカメラのピックトスは、極めて控え目で非常にシンプルなスペックゆえ、被写体の明るいところはより明るくなり、暗いところはより暗くなってしまう。シャッターさえ押せばそこそこの写真が撮れるスマホカメラに慣れた身には、恐ろしく興味深く使いがいのあるカメラなのだ。

バルブ設定のないピックトスでは、屋内でもフラッシュは必須だが、白飛びカットフィルターの選択は微妙だ

 その後も懲りずに10枚で700〜800円ほどもする、インスタックスミニ フィルムを数パックほど買っていろいろ撮影して見た。たくさんの撮影結果から、フラッシュは屋内の撮影には必須要件だが、至近距離の50㎝〜80㎝の被写体の中央付近にのみ有効であることや、最初は、まったく頼りない雰囲気の「白飛びカットフィルター」の価値もようやく理解できるようになってきた。

 そして室内や屋外を問わず、なにもいじることのできないピックトスでの撮影は、「自然のヒカリ」を味方に付けること、そしてその想定結果の微々たる調整にフラッシュと白飛びカットフィルターを組み合わせて、なんとか撮影結果の予想がわずかにできるようになってきた感触がある。

最近、最も愛用しているPOSレジプリンターの入ったカメラ「レジプリカメラ」(右)と同じく即時性がウリのピックトス

 今回ご紹介したピックトスも、以前ご紹介したPOSレジプリンターの入ったカメラ「レジプリカメラ」もおもしろいのは、撮影即プリントアウトでき、その場のライブな雰囲気をその時に一緒にいた人に時間差なく共有できることだろう。

インスタントフィルムの躍進は素晴らしいが、筆者は未だに1970年代中期に発売されたポラロイドのSX-70でオリジナルフィルムを使って撮影した色気と感性が好きだ(左上)

 インスタントカメラ大好きでほとんどのモノは衝動買いしている筆者だが、残念なのはいずれのインスタントカメラも、いまだに50年近く前に発売された世界初のインスタントカメラ、ポラロイド「SX-70」で撮影した写真の色気や感性を超えられていないことだ。

筆者がいまも愛用しているポラロイド SX-70(左)と令和のインスタントカメラ「ピックトス」

 ピックトスは難しいことは考えず、そしてフィルムのランニングコストなんか忘れてしまって、身近な人に思い切り近づいてアップで狙い、その偶然の結果に喜びを見出し失敗を恐れない人のためのインスタントカメラだ。「ズゥーッと近づき、バシッと撮ってクルクルクルクル」のスピード感が写真をおもしろくする!

 
T教授

今回の衝動買い

アイテム:タカラトミー「Pixtoss(ピックトス)」ミルクホワイト TCC-05WH
・購入:ビックカメラ
・価格:6570円

T教授

 日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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