Wear OS by Googleを採用するアウトドア対応スマートウォッチ
カシオ初心拍センサー搭載スマートウォッチPRO TREK Smart「WSD-F21HR」を着けて走った
2020年01月05日 12時00分更新
カシオ計算機の「PRO TREK Smart」シリーズは、グーグルのWear OSを搭載する製品の中で最も気を吐く個性派スマートウォッチだ。同シリーズに初めて心拍測定機能を搭載する「WSD-F21HR」が加わった。本機のハンズオンレビューをお届けしよう。
PRO TREK Smartシリーズは本体に優れた耐環境性能を持たせて、なおかつ必要な機能を使いやすくまとめ上げたアウトドア対応スマートウォッチだ。ラインナップには最新のWSD-F21HRのほかに、有機ELディスプレイを搭載するコンパクトな「WSD-F30」と大画面モデルの「WSD-F20」がある。
筆者はこれまでPRO TREK SmartシリーズのF20、F30を続けて長く使ってきた。ジョギングなどワークアウトの成果を可視化したり、健康管理のために心拍を測定できる機能がPRO TREK Smartにも欲しいと常日頃から思っていただけに、WSD-F21HRでどんなことができるのか楽しみだ。
タフなアウトドア仕様を特長とするWear OS搭載スマートウォッチ
WSD-F21HRは、歴代のPRO TREK Smartと同様に高い耐環境性能を備えるスマートウォッチだ。本体は5気圧防水、MILスペック準拠のタフネス仕様。堅牢性も重視する堂々としたデザインのベゼルが特徴だ。本製品のキーカラーであるレッドのほかに、ブラックを揃えた2色のカラバリがある。
ディスプレイはカラーとモノクロの2層構造とし、本体を操作せずに画面が暗転した時には、モノクロ液晶表示に切り替わる。電池の減りを抑えながら、高い情報の視認性を確保している。F30は駆動時の電力効率が高い有機ELディスプレイをカラー側のディスプレイに搭載していた。F21HRは2層ともに液晶だが、通常使用時のスタミナをF30と同じ約1.5日に揃えてきた。カシオの技術がまた一段と成熟したことがうかがえる。
PRO TREK Smartシリーズは、アウトドア向けのデバイスであることを特徴にうたっているが、ペアリングしたスマホから着信やメール、メッセージの通知を受け取ったり、日常生活やビジネスユースにも役立つスマートウォッチでもある。
Wear OS対応アプリをインストールすれば、さまざまな機能拡張も可能だ。ペアリングするスマホはAndroid 4.4以上、iOS 10以上を推奨環境としているが、iPhoneと組み合わせた場合には、いくつかの機能が制限されてしまう。そのため基本的にはAndroidスマホと一緒に使う方がおすすめだ。今回のテストはGoogle Pixel 4 XLにペアリングして行っている。
F21HRは、GPS(米・GPS/露・GLONASS/日・みちびきを併用)によるトラッキング機能を内蔵しているので、ペアリングしたスマホが通信圏内になくてもウォッチ単体で正確なユーザーの位置情報を取得できる。
さらにMapboxから、現在位置50km圏内のカラー地図データを最大5件まで本体にダウンロードして、GPS位置情報と連動させながらオフラインで利用できる。スマホを持たなくても、腕にF21HRを装着しただけの軽装で、地図を確認しながらランニングやトレッキングなどのアウトドアレジャーに出かけられる。
プリインストールされている「アクティビティ」は、各種スポーツの計測・記録に最適なカシオのオリジナルウォッチ用アプリだ。ランニングのペースと心拍の状態を同時に画面上で確認しながら、ページを素速く地図表示に切り替えることもできる。
ランニングの移動ルートはKLM形式のデータファイルとして、ペアリングしたスマホを経由してユーザーがひも付けたアカウントのGoogleドライブに保存される。過去の履歴ファイルをウォッチから呼び出せば、また同じルートを移動する時の参考になる。