キミはXperia初号機のWindows mobile「Xperia X1」を知っているか?
2019年11月21日 10時00分更新
日本でAndroidスマホといったらXperia! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(Xperia 1以降は番外編としてグローバルモデルを紹介します)。
Xperiaの歴史を紐解くシリーズとして、国内モデルは「Xperia 1」まで紹介しました。ここからは番外編として、国内では発売されなかったXperiaのグローバルモデルを紹介していきます。
日本で最初に発売されたXperiaは2010年発売のドコモ版「Xperia SO-01B」(グローバルではXperia X10)ですが、その2年前の2008年に登場した「Xperia X1」が、実はXperia第一号機なのです。
OSはAndroidではなく、Windows Mobile 6.1を採用。当時フィーチャーフォンに注力していたソニー・エリクソンが突如作りあげたわけではなく、Windows Mobile端末で主導権を握っていたHTCからのOEM供給という形で、Xperia X1は投入されました。
本体サイズは、53×110×16.7mm、重さは158g。非常に小型のボディーでありながら、その見た目とは裏腹にしっかりした重さがあります。
スライドすることでQWERTYキーボードが現れるギミックが特徴で、サイドからみると弧を描くように傾斜する「アークスライダーデザイン」と呼ばれるデザインを採用し、キーをタイプしながらでも画面が見やすかったのです。
開閉ギミックについても、軽く指で押すと勢いよくシュッとスライドし、軽く押し戻すと元の形状になります。QWERTYキーボードにはアルミのヘアライン加工がされ、キートップひとつひとつが押した感覚がわかりやすく、バックライトも備わっていました。
ディスプレーは、タッチパネルの3型WVGA(800×480ドット)。今のスマートフォンの大画面から比較するとかなり小さいことがわかります。
本体の外装は金属パーツで、ディスプレー周辺と背面の中央カバーはヘアライン加工のアルミ製。上下左右ボタンと決定ボタン、その両サイドに3つづつダイレクトキーを備え、中央の四角いボタン部分は指をすべらせることで、マウスのようにカーソルが動く仕様です。
背面には今や懐かしい「Sony Ericsson」の緑目玉ロゴと、大文字のXPERIAロゴが配置されていました。
カメラは320万画素CMOSセンサーを搭載、AFとLEDライトもあります。
側面にはイヤホンジャックと電源、シャッターボタンとボリュームキーを備えており、USB端子はUSB mini Bとなっています。背面のアルミカバーを外すとバッテリーやSIMカード、microSDカードにアクセスできます。SIMカードは25×15mmの標準サイズでバッテリー容量は1500mAh。
OSはWindows Mobile 6.1のため、WindowsでおなじみのInternet ExplorerやWindows Media Player、Messenger、Adobe Readerなどがプリインストールされていました。また、Office Mobileとして、Excel、OneNote、PowerPoint、Wordも利用できました。
本体にはスタイラスが収納され、当時のWindows PC環境を持ち運べる小さなモバイル端末として期待を集めました。そして、2010年に国内で発売されたXperia X10ではAndroidが採用され今に続いていますが、こうした遊び心のあるモデルは当時のガジェッター魂を揺さぶる魅力的なモデルだったのです。
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