●規制の副作用も懸念される
会合でも実際に政府側から質問が集中したのはアップルを除いた3社のようだった。
アマゾンに対しては「アマゾン自身とサードパーティが供給する商品で差をつけてはいないのか。サードパーティからの売上情報から、アマゾンの商品ラインナップを変えてはいないのか」という質問があったという。
つまり、アマゾンが自社の有利な立場を使い、自分たちが取り扱う商品を優先的に販売し、さらに他社の販売状況を見て、アマゾンが売れ筋を用意しているのではないかという懸念であった。
また、グーグルとフェイスブックに対しては個人情報データのポリシーとして、ユーザーデータをどのように使用し管理しているのか、という質問が飛んだようだ。
政府としては、世界的に影響力のあるプラットフォーマーである4社を呼びつけて、テーブルに座らせ、メディアに写真を撮らせ「仕事している感」をアピールしているようだが、もはや大手4社のサービスは我々の生活に不可欠な存在となっている。
確かに、日本政府として、日本でアメリカ企業のサービスが普及し、個人情報が握られてしまうことに抵抗があるのかもしれない。しかし、この4社よりも快適で便利なサービスを日本企業が提供できているかといえば、かなり微妙だ。
この4社に対抗しようと、ソフトバンググループはヤフーとLINEの経営統合を検討しているようだが、ヤフーとLINEが束になっても、アメリカ企業が提供するサービスを超えるのは難しいかもしれない。
今回の新法制定で、最大の懸念は政府がプラットフォーマーの現状を全く理解できずに厳しい法律だけが制定され、アメリカ企業のイノベーションが阻害されてしまうことだ。

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