22社の欧米スタートアップと共に富士通がWeb Summit 2019に初出展
ポルトガルのリスボンで2019年11月4日から行なわれている、世界最大級のテックイベント「Web Summit 2019」に、富士通がスポンサードでブースを出展。世界的に注目が高まっている展示会だが、日本の大手企業としては初となる。2000以上のスタートアップ、7万人を超える来場者を集めるテックイベントで、2018年は日本人の参加者は100名にも満たなかったが、今回は200人を超え、これから日本の存在感も高まっていきそうな空気を感じた。
仕掛け人は日本では8期に参加する企業を募集している「FUJITSU ACCELERATOR」事務局を務める富士通の安西 潔氏。昨年はWeb Summitに単身で乗り込み、出展するスタートアップ企業の質の高さや秀逸なモバイルアプリによるイベント全体としての仕組み、会いたい投資家、起業家と会える仕組みが整っていることに衝撃を受けて出展を決意。
2019年10月には欧州版のアクセラレーションプログラムも立ち上げ、応募のあった300件のスタートアップから24社の欧米企業を選出。今回のWeb Summitには、そのうち22社を引き連れてブース出展を果たした。
Web Summitのスタートアップブースは3日間の会期中日替わりでブースが変わることもあり、富士通ブースのスタートアップ企業も毎日8社ずつが出展していた。欧州版アクセラレーターはまだ採択の途中で、今回のWeb Summitでのミートアップや選考を重ねて、最終的に西欧の顧客企業の課題を解決する企業を採択し、協業を検討。2020年春頃に欧州でデモデイを開催し、1年に1回のペースで実施する予定だという。
ブースの後ろでは「Co-creation」をテーマにセッション、ワークショップを開催。欧州版アクセラに応募して採択できなかった企業ともミートアップを実施していた。質が高い企業も多く、日本のアクセラレータープログラムへの応募にもつなげたいとしている。
ロンドンの大学からスピンアウトした英国のAIプラットフォーム企業「reinfer」は、富士通ブース出展企業のひとつ。メールや、チャット、CMSやCRMといったエンタープライズのソリューションでやり取りされる会話のコミュニケーションの非構造化データを分析して、構造化でータに変換。ビジネスを分析して最適化、作業や事業の全体自動化につなげるソリューションを展開している。富士通とは、金融系や小売業の顧客へAIコミュニケーションのイノベーションを与えたいと語っていた。
多数のAI企業が集まるカナダ・トロントの「WeavAir」は、センサーで室内の空気の質を最適化するソリューションを持つ企業。温度や空気の流れなどをセンサーでモニタリング、またリアルタイムで予測分析して、空調機器などデバイスの精度やパフォーマンスを上げ、エネルギーの効率化につなげる。