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Xperia温故知新! 波瀾万丈な歴史を紐解く 第39回

コスパの良さからSIMフリー版も登場したコンパクトモデル「Xperia Ace」

2019年10月07日 10時00分更新

文● 君国泰将 編集● ASCII編集部

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 日本でAndroidスマホといったらXperia! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(基本的に登場するのは国内で発売されたモデルのみです)。

スペックはミドルだがカメラ性能は高い
「Xperia Ace」

 この連載も一区切りまで残り2回。今回は2019年6月、コンパクトモデルとしてドコモから登場した「Xperia Ace SO-02L」を取り上げます。本体サイズは、約67×140×9.3mm、重さは154gと、軽量コンパクト。約1年前に発売された「Xperia XZ2 Compact」と同等の5型(1080×2160ドット、アスペクト比18:9)ディスプレーを搭載しています。

 アスペクト比が18:9となったことで縦への表示領域が広く、スクロールが必要なコンテンツをより多く見渡せる使い勝手の良さと、横持ちにするとシネスコサイズの動画コンテンツを見る際に黒帯が少なく、より大きく表示できるといったメリットがあります。

 幅広い色域で豊かな自然の色合いや繊細な色の違いが再現する「トリルミナス ディスプレイ for mobile」を搭載するものの、HDR(ハイダイナミックレンジ)には非対応です。また、「Xperia XZ3」から備わった左右のディスプレーの端をタップすると、よく使うアプリを予想して表示する「サイドセンス」はしっかりと継承されています。

 背面がラウンドしたぶん厚みのあったXperia XZ2 Compactとは異なり、Xperia Aceではタテヨコサイズは少し大きくなったものの薄く軽くなったのが特徴。前面に強化ガラス、背面にグラスファイバー強化プラスチックを採用しつつも、サイド面にメタルフレームを採用し、背面はグロス仕上げとしたことで、質感も美しさを保っています。角の部分は丸みをおびて、手になじみやすく持ち心地も向上しました。

 Xperiaシリーズでおなじみだった指紋センサーと一体となった電源ボタンがサイド右側に復活しています。特許の関係でハイエンドモデルの「Xperia 1」では指紋センサーと電源ボタンがわかれていますが、Xperia Aceは国内のみの販売であることから便利な一体型となっています。

 その下に並んだ音量のボリュームキーは、小さな丸ボタンとこれまでとは違う可愛らしくアクセントのあるデザインが採用されました。

普段使いなら問題のないスペック

 スペックはSoCにミッドレンジ向けとなるSnapdragon 630を採用。Xperia XZ2 Compactではハイエンド向けのSnapdragon 845が搭載されていましたが、Xperia Aceではパフォーマンスが抑えられたぶん、価格はリーズナブルになっています。メモリーは4GB、ストレージは64GB、外部ストレージは最大512GBのmicroSDXCに対応します。底面にUSB Type-Cを備え、バッテリー容量は2760mAh。バッテリーを長持ちさせる「STAMINAモード」や、バッテリーをより長期間使えるための「いたわり充電」なども備えています。OSはAndroid 9です。

インカメラの超広角が便利!

 カメラは単眼ですが、性能はXperia XZ3よりアップしています。約1200万画素(F値1.8)の裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor R for mobile」を搭載し、逆光や夜景、風景や人物、料理など13種類のシーンと、4つのコンディションを自動で判断する「プレミアムおまかせオート」でよりキレイに撮れるようになりました。

 動画撮影は、光学式と電子式のハイブリッド手ブレ補正とF値1.8の明るいレンズと高性能センサーの組み合わせにより、暗いシーンに強くなっています。

 また、フロントカメラは約800万画素でイメージセンサーは同じくExmor R for mobile。 約80度の広角と、約120度の超広角に切り替えることができるため、大人数でも背景と一緒の撮影が非常にしやすくなりました。

 オーディオ機能としては、Bluetoothの高音質ワイヤレスの対応コーデックとしてLDAC、aptX HDに対応。CDやMP3などの圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングする「DSEE HX」など、Xperiaならではの機能を備えています。また、直近のモデルでは廃止されていた3.5mmステレオミニプラグも復活しているので、有線ヘッドフォン派の人には朗報です。

 そのほか、IPX5/IPX8相当の防水性能と、IP6X相当の防塵性能を備えて水回りでも安心して使えます。ただし、フルセグやワンセグは搭載せず、ワイヤレス充電規格Qi (チー)や、コンテンツに合わせて本体が振動する「ダイナミックバイブレーションシステム」なども備わっていません。

各MVNOでも取り扱いが始まったほど人気のモデル

 あくまでもミッドレンジのSoCを採用して、機能をある程度削ったことによりコストパフォーマンスを前面に押し出したモデルではありながらも、コンパクト需要に対応させたことで、Xperia Aceは高解像度なディスプレーを持ちつつポケットに入れても邪魔にならないサイズ感が魅力的なモデルになりました。事実、ドコモではトップクラスの売り上げを誇りました。

 コンパクトでリーズナブルな価格から、最近ではドコモ以外にも「楽天モバイル」「IIJmio」「goo Simseller」「mineo」「nuroモバイル」での取り扱いが始まり、さらに多くの人から愛されるモデルになりました。

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