仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」 第81回
業務の生産性をOfficeで可視化してみよう
MyAnalyticsがOffice 365 Business Premiumでも使える
2019年09月20日 11時30分更新
本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。
Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回はOffice 365 Business Premiumでも利用可能となったMyAnalyticsに注目する。
バックオフィスでの業務改善につながる? MyAnalyticsが使用可能に
以前の記事で紹介した「MyAnalytics」がOffice 365 E3/E5以外でも使用可能になった。MyAnalyticsは生産性についての洞察を可能にする機能で、ユーザーがいつどのように時間を費やしているかを見える化できる。
自身のテナントに展開が始まれば、WordやExcelを起動する「アプリ起動ツール」に並ぶと思っていたが、本稿を執筆している2019年9月中旬時点でも未列挙だ。何気なく先のリンクからアクセスしたところ、すでにMyAnalyticsが使用可能になっていた。恥ずかしながら気付かなかったというわけだ。
ただし、厳密に述べれば使用可能になったのは「Insights by MyAnalytics」であり、公式ドキュメント(https://docs.microsoft.com/ja-jp/Workplace-Analytics/myanalytics/overview/plans-environments)によれば、「MyAnalytics(Full)」に含まれるOulookのインライン提案(Oulookを用いてメールまたは会議出席依頼の閲覧・作成時に、AIを用いたデータ提示を行う機能)は対象外となる。
MyAnalyticsダッシュボードを開くと、作業集中に用いた時間を示す「フォーカス」や、作業から解放されてストレス軽減を示した「ウェルビーイング」、メール連絡を元に人的ネットワークを示す「ネットワーク」の3つが並ぶ。本連載で何度か触れてきたように、筆者が契約しているライセンスは1ユーザーのため、会議時間やMicrosoft Teamsなどを用いたチャット時間は計測されず、フォーカスタイムはほぼマックス状態だ。
ウェルビーイングもメールなどコミュニケーションツールの利用状況と、Office 365の稼働時間を元に残業時間を測定している。だが、最近はメールを用いる場面も減少傾向にあり、仕事の受発注はIM(インスタントメッセンジャー)経由で行なうことが多い。また、メール作成もテキストエディターで書いた返事を、Web版Outlookのメッセージ作成ウィンドウに貼り付けているため作業時間が著しく低くなっている。このような利用状況を踏まえつつ、ネットワークに並ぶ「上位の共同作業者」に列挙される相手を見ると、現実に即していないというのが正直な感想だ。
この結果はある程度仕方がない部分がある。MyAnalyticsは組織外のユーザーから送られてきたメールや予定に関するデータを使用せず、筆者が契約するテナントは筆者のみ使用しているからだ。個人の生産性に関わる洞察を通じて作業パターンの改善を目指すMyAnalyticsだが、企業に属していない筆者のような人間に取っては可視化する範囲が狭く、無用の長物になってしまう。あくまでも推察の域を超えないが、外部との対面作業が少なくバックオフィス部門所属の従業員ならば、作業効率化につながる切っ掛けを得られるだろう。
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