マウスとして使う場合はモード2を選択するだけ
“価格変態比”のトップに君臨するガジェット
一方、単にUSBジョイスティックマウスとしてCrazy Small Keyboard+Mouseを使う目的なら、“マウスモード2”を選択するだけだ。ジョイスティック面を上にして親指で操作するだけで操作は極めて簡単だ。気迫のあるクレイジーさとはかなりかけ離れた実用的な世界だが、確かに面白みは激減する。
筆者はCrazy Small Keyboard+Mouseを愛用の「ThinkPad X390」の外付けのキーボード+マウスとして使ってみたが、キーボードもトラックポイントも装備するThinkPadでは、入力装置が物理的に壊れてしまわない限り、Crazy Small Keyboard+Mouseの出番は少なそうだ。
筆者が唯一実用的だと思うのは、最近入手した「GPD MicroPC」を、空中で抱えて操作するのではなく、机の上に置いて使う際にCrazy Small Keyboard+Mouseを外付けのコンパクトなジョイスティック型マウスとして使うことだ。
しかし、そのような使い方は、テクノロジーガジェットのキングであるCrazy Small Keyboard+Mouseに極めて失礼な行為なのかもしれない。
もう少しだけ飛んだ使い方として、OTGプラグアダプターを使って、筆者の「HUAWEI P30」の文字入力装置&ポインターデバイスとして使ってみた。今回は先ほどの実用度の高い外付けジョイスティックマウスとは比較にならないほど大きな入力ストレスが、心地よい感じになって襲いかかってきた。
Crazy Small Keyboard+Mouseを暇つぶしに触って遊んでいるつもりだったが、ハマりやすく凝り性の筆者は、キーボードやマウスの出現した背景や使途、道具としての価値などのうんちくはすべて忘れて、ついつい夢中で丸1日遊んでしまいそうだ。
もちろん、パソコンの技術者でもなく、サーバーの保守エンジニアでもない筆者の平凡な生活圏で、Crazy Small Keyboard+Mouseが緊急出動する機会がどれくらいあるかは想像さえつかない。
しかし、極めて小さなCrazy Small Keyboard+Mouseは、使わないときでもいつも手のひらでニギニギしていたいガジェットの最右翼候補だ。そして、いつか出番が来るかもしれないので、常時出張のキットには入れている。いや、ガジェットオタクが集まる飯会では、すでに数度のドヤ顔のサポートを確実にこなしてくれている。
令和になったガジェットワールドだが、過去である昭和・平成の“価格性能比”というおかしな神話を引きずっている面白くない世界のままだ。Crazy Small Keyboard+Mouseはそんなレガシーな価格性能比とは無縁の“価格変態比”の頂点プロダクトだ。心から「Crazy Small Keyboard+Mouseを創った人は、ほんまにアホやなぁ~」と言わせていただきたい。
今回の衝動買い
アイテム:クーユードットオルグ「Crazy Small Keyboard+Mouse」
・購入:Amazon.co.jp
・価格:3480円(税込)
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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