●日本企業と8000億円規模の取引
5月21日の新製品発表会で、ファーウェイのデバイス部門、日本・韓国リージョンプレジデントの呉波氏は「ファーウェイは、米商務省産業安全保障局の決定に反対する。誰の得にもならない。巨額な経済損失をもたらし、米国の10万人におよぶ雇用に影響する。グローバルのサプライチェーンに影響する。ファーウェイは、できるだけ早く解決策を見つけて影響を減らしたい」と力強く語っていた。
まさに「誰の得にもならない」というのが、今回の騒動を端的に表しているだろう。
当然のことながら、ファーウェイのブランドは毀損し、世界第2位のシェアは落ちるだろう。そこで困るのは、ファーウェイに部品を収めている日本メーカーだ。今年、ファーウェイは8000億円規模で日本メーカーから部材を購入すると言われている。この売り上げが落ちれば、日本メーカーにとっては大打撃だ。
また、ファーウェイはグーグルとAndroidを共同開発してきた。ファーウェイがAndroidのコミュニティから抜ければ、Androidの進化は停滞しかねない。ファーウェイとグーグルはこれまで手を取り合ってAndroidを開発していたのに、今回の騒動でファーウェイが独自OSを作るとなれば、世界的にAndroidのシェアが落ちることになる。Androidでグーグルのサービスを使う人が減れば、グーグルの売り上げも落ちるのは間違いない。
また、ファーウェイは5Gの特許を相当数取得している。ファーウェイが基地局で世界から排除されれば5Gの普及も遅れることだろう。本来ならファーウェイがいることで、安価で技術的にも先進的な基地局が普及するはずだったのに、ファーウェイが選択肢から外れれば、キャリアの設備投資額は高騰化し、しわ寄せはユーザーの通信費に跳ね返ることになる。
そして、最も悪影響を受けるのは我々ユーザーだ。

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