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最新PCゲームチェッカー 第2回

骨太な難易度や救済策など、多くのプレーヤーを満足させる魅力が豊富

「SEKIRO」は死が攻略の糸口に、プレーヤーのアイディアすべてが戦略になる

2019年04月20日 15時00分更新

文● 市川

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敵にトドメを刺すために必要な戦略はなんでもあり?!

画面上部にあるオレンジのゲージが敵の「体幹ゲージ」。攻撃してこのゲージを満タンにすれば「忍殺」ができる

 敵の「体幹ゲージ」を満タンになるまで削り、一撃必殺技「忍殺」でトドメを刺すことがSEKIROの勝利条件である。体幹ゲージは削ってもすぐに回復してしまうが、敵のHPが低いほど回復速度も低下する。だから通常通りにHPも削ることも念頭に置かなければならない。

 しかし、SEKIROの敵は実に悪賢く、自らの体幹およびHPを削らせまいと執拗に攻撃と防御を繰り出してくる。プレーヤー自身にも体幹ゲージがあるため、下手したら自らの体幹ゲージが満タンになって返り討ちに遭う場合も。

義手忍具のひとつ「爆竹」を使って敵を怯ませることができる。卑怯かもしれないが、これも立派な戦略だ

義手忍具をアンロックしたり、強化することができる

攻撃力と体力を強化することも大事

 先述したように、本作は負ければ負けるほど勝利に近づけるようになっている。敵の攻撃パターンを見抜いた上で、正攻法で挑んでもよいし、忍者らしく卑怯な手段を用いてもよい。プレーヤーが「これなら勝てるかも」と思ったアイデアはすべて戦略といっても過言ではない。

 このように、SEKIROはみずから考案したアイデアも戦略のひとつとして許容されるほど、戦略性の幅はかなり広めだ。幅広い戦略性は、敵にトドメを刺す(=強敵を倒す)という達成感をプレーヤーに体験させるために必要な要素といえるだろう。

初心者に優しい救済システム「回生」で逆転を狙え!

敵にやられたら一部の所持金と経験値を喪失してしまう。ダークソウルシリーズとは違い、喪失したものは二度と取り返すことはできない

 ダークソウルシリーズでは一度戦いに負けると、「ソウル(経験値)」をドロップするうえに、「篝火(チェックポイント)」から復活してリトライしなければならない。もちろん敵のHPは全快する。

SEKIROに導入された救済策「回生」を使えば、その場で復活することができる

回生するとHPが半分の状態で復活。逆転のチャンスをつかめ

 SEKIROもその系譜を受け継いではいるが、負けると一部の所持金と経験値を失ってしまう。従来ならこの時点で「クソ、ゼロからやり直しかよ」と愚痴る羽目になるわけだが、SEKIROには「回生」とよばれる救済システムが実装されている。戦闘中にやられてしまっても、回生を使えばその場で復活することができるのだ。

回生後に敵の背後から忍殺。自らの死を利用するのも手だ

 回生という救済システムは死にゲーを苦手とする初心者にとってはありがたい仕様だ。回生を使えば、強敵に忍殺をお見舞いするチャンスが芽生えるのはもちろんのこと、敵の裏をかいてこっそり忍殺することも可能だからだ。だが、回生はあくまでも一時的な救済策であり、復活した後にやられたらそこで「クソ、ゼロからやり直しかよ」になる。難易度と救済策のバランスが維持されているため、経験者も未経験者も納得するようなフェアプレーを実現しているのではと感じた。

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