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STARTUP×知財戦略第8回

「CEOが語る知財」:One Tap BUY代表取締役社長CEO林 和人氏インタビュー

先願調査でアイデアを磨け One Tap BUY林氏のスタートアップ知財ハック

2019年02月13日 07時00分更新

文● 松下典子 聞き手・編集●北島幹雄/ASCII STARTUP 撮影●曽根田元

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 株式会社One Tap BUYは、1万円から株式投資できるスマホ証券「One Tap BUY」を2016年よりスタート。積み立て投資の「積み株」、1株からIPO購入を申し込める「誰でもIPO」など、誰でも簡単に資産運用ができる証券アプリを次々とリリースしている。また同社は知財を事業戦略のひとつと位置づけ、国内外で特許・商標の権利化を進めている。代表取締役社長 CEOの林 和人氏に、スタートアップならではの知財活用についてお話を伺った。

本シリーズ「CEOが語る知財」は、特許庁の知財とスタートアップに関するコミュニティサイト「IP KNOWLEDGE BASE for Startup」とASCII STARTUPによるコラボ企画としてお届けする。

過去の教訓を生かし、サービスのリリース前に特許を取得

株式会社One Tap BUY 代表取締役社長 CEOの林 和人氏

 林氏にとってOne Tap BUYは2社目の起業だ。

 2002年には中国株専門のネット証券会社を創業。当時は類似のビジネスモデルはなく、ほぼ100%の独占状態。しかし、サービス開始2年後から中堅の証券会社が市場に参入し、似たような技術で特許を押さえられてしまった。最初のうちは、脅威には感じていなかったそうだが、5、6年後には追い付かれて、10年でついに並ばれてしまった。

 2007年のリーマンショック前、日本人個人投資家の中国株の残高は1兆円にまで上昇。当時、林氏の会社は2000億円ほどの預かり資産があったそうだ。

 「創業3年目で日本全体の中国株の20%を持つほどにまで成長した。もし、特許で市場が独占できていれば、いまは6兆円近い市場になっていたかもしれません。しかし、当時は先入観から、特許はハードルが高いものだと思い込んでいたのです」と振り返る。

 先手必勝のネットビジネスであっても、後発で資本力のある大手に真似をされると、長期間になってくると追いつかれてしまう。お金になるアイデアは盗まれるのが当たり前。知財がないと守るのは難しいと林氏は改めて実感したという。

 その後会社を売却し、2013年にONE Tap BUYを設立。1年7ヵ月をステルス期間として、金融庁からのライセンス取得と併せて、特許の手続きを進めていった。サービス開始前から積極的に知財へ取り組んだ結果、「利益分だけをワンタッチ操作で売却可能にする」「ポートフォリオを示すグラフィックで、取引注文操作を可能にする」などの特許を取得。

 「ベンチャーキャピタルの出資者とはNDAを結び、特許申請中のアイデアが漏れないようにしました。NDAを嫌がる企業も多かったのですが、我慢強く出資者を探したことが特許取得につながったと思います」(林氏)

 その後、2015年11月に開催された「TechCrunch Tokyo 2015」のスタートアップバトルに出場し、初めて「One Tap BUY」のサービスを披露することになる。結果、審査員特別賞とAWS賞を受賞。会場でソフトバンクの投資部門と出会い、提携のきっかけとなったそうだ。

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