このページの本文へ

最新パーツ性能チェック 第244回

GeForce RTX 2080 Ti FEとTITAN Vと徹底比較

TITAN RTX検証、32万円超のグラボは本当に最強にして最速なの?

2019年01月17日 17時40分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

あらゆる側面でRTX 2080 Tiを上回るTITAN RTX

 ではTITAN RTXのスペックを確認しておこう。RTX 2080 TiはFEのスペックで比較した。TITAN RTXのRTX-OPSはNVIDIA公式では非公開になっているが、判明しているスペックなどを元に、筆者が推測で算出した数値を記入している。なお、計算方法については以前の記事「Turingコアの構造も謎の指標「RTX-OPS」の計算方法も明らかに!徐々に見えてきたGeForce RTX 20シリーズの全貌」を参照してほしい。

TITAN RTXのスペック。*が付いている項目は非公開であるため、公開済みスペックから筆者が算出したものを入れている。

「GPU-Z」でTITAN RTXの情報を拾ってみた。筆者が検証した個体のGDDR6メモリーチップのベンダーはSamsungであることが確認できた。

 TITAN RTXもRTX 2080 Tiも同じTU102コアであるため、相違点はそれほど大きくない。CUDAコア数の差は256基。つまり、SM(64CUDAs)のブロック4基、メモリーコントローラー1基ぶんの違いにとどまる。ただし、冒頭で解説した通り、VRAMの搭載量がRTX 20シリーズではメモリーコントローラー1基につき1GBだったものが倍の2GBになっているため、TITAN RTXのVRAMは24GBという広大な容量が利用できる。

 このスペックがどういったシーンで効いてくるのかだが、今のPCゲームでは4Kを通りすぎ8K環境ぐらいないと使いきれない。あとは8K動画編集や数値計算系など、ゲーム以外の用途におけるメリットのほうが大きいと考えるべきだ。

 そしてもうひとつ注目したいのは、ブーストクロックがRTX 2080 Tiよりも高く設定されている点だ。CUDAコア数が多いのにブーストクロックが高めということは、熱をしっかり処理しないとブーストがあっと言う間に抜けてしまうことが予測される。事実、TITAN XやVでもFE仕様のクーラーでは冷却力不足を味わってきたため、本当に性能を発揮したければ本格水冷化は避けられないだろう。

GPU-Zの「Advanced」タブを開いてみると、Power LimitやTemp Limitまわりの情報がチェックできる。TITAN RTX(左)のPower Limitは最大+14%までなのに対し、RTX 2080 Ti FE(右)は+23%まで引き上げられる、とある。つまり、オーバークロック時のリミットはTITAN RTXのほうが低いのだが、それには理由がある。

理由はTITAN RTXのTDPは280W、RTX 2080 Ti FEは260Wと20W差があるのに、カード全体の最大消費電力をTDPにすると同じ320Wだからだ。

RTX 2080 Ti FEから最強の座を奪い取ることができるか?

 今回の検証環境は以下の通りだ。比較用ビデオカードとして、RTX 2080 Ti FEとTITAN Vを準備した。ドライバーは417.58ですべて統一している。

検証環境
CPU Intel「Core i9-9900K」(8C/16T、3.6~5GHz)
マザーボード GIGABYTE「Z390 AORUS MASTER」(Intel Z390)
メモリー G.Skill「F4-3200C14D-16GTZR」(DDR4-3200 8GB×2、DDR4-2666で運用)
グラフィックス NVIDIA「TITAN RTX」、NVIDIA「GeForce RTX 2080 Founders Edition」、NVIDIA「TITAN V」
ストレージ Western Digital「WDS100T2X0C」(M.2 NVMe、1TB SSD、システムドライブ運用)、Crucial「MX300 CT1050MX300SSD4/JP」(M.2 SATA、1.05TB SSD、データドライブ運用)
電源ユニット SilverStone「SST-ST85F-PT」(850W、80 PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(October 2018 Update適用済み)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中