サブスクリプションサービスの下地作りか:
アップルがAirPlay 2対応テレビを増やすワケ
2019年01月09日 09時00分更新
●AirPlay 2対応製品が増えた2つの理由
アップルは今後の決算発表で「その他の製品」を分解し、「ウェアラブル」と「ホーム」といった製品カテゴリに細分化することを明らかにしています。ウェアラブルにはAirPods、Apple Watchなどが含まれます。一方のホームにはApple TVとHomePodが控えます。
AirPlay 2はHomeKitとともに、このホームカテゴリの中核技術であり、Apple TVとHomePodはそれぞれSiriを搭載しながら中核技術に対応する、ビデオとオーディオで最良の体験を提供するためのデバイスとして設計されました。
一方、オーディオデバイスに続いてスマートテレビもAirPlay 2に対応させ、Apple TVやHomePodなしでもiPhoneやiPadとの連携を深める道筋を示しました。つまり、ホームカテゴリについては自社製品にこだわらない、ユーザーは好きな対応製品を使えば良い、というスタンスになったのです。
これには2つの見方があります。
アップルは複数のデバイスを連携させる際、体験を非常に重視します。だからこそ自社製品間の連携をベストな環境としてきたわけです。しかし今回の動きを見ると、AirPlay 2をしっかりと作り込んでいるため、他のメーカーのデバイスとの間でも最良の体験を実現できると踏んでいるかもしれません。
もう1つはサービスをにらんだ対応です。iPhoneユーザーに対してサブスクリプションサービスをいかに使ってもらうかがアップルにとって重要な指標となってきました。Apple Music普及のためにAirPlay 2対応スピーカーの拡充に努めてきましたが、映像のAirPlay 2対応デバイスの充実は、動画のサブスクリプションサービスの下地作りに見えます。
アップルはAirPlay 2で対応デバイスを拡げる戦略に出ていますが、ここで競合と異なるポイントは、音声アシスタントまで搭載させるかどうかです。
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