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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第486回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー 日本の産業スパイに狙われたIBM

2018年11月26日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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1980年代を代表する名機
IBM 3090シリーズが誕生

 これでミドルレンジの底上げを図ったうえで、1985年に発表されたのがIBM 3090シリーズである。

IBM 3090 Model 200(と思われる)の全景

 Sierra、というコード名で知られるこのシリーズは、IBM初の288Kbit DRAMを搭載した製品でもあり、1980年代いっぱい使われたシステムでもある。1985年にはまず2プロセッサーのModel 200と4プロセッサーのModel 400が発表される(動作周波数は54.1MHz)。

288Kbit DRAM完成のニュース。要するに8bit Data+Parityで1Byte=9bit構成のDRAMである。なのでデータ容量としては256Kbitになる

 Model 200が32MIPS、Model 400が57MIPSほどの性能で、4プロセッサー構成のIBM 3084の28MIPSを上回る性能を2プロセッサーで実現している。

 これに続き、1986年には1プロセッサー構成のModel 120/150がリリースされた。性能は11.8MIPS/17MIPSほどだが、IBM 3083が最高でも9.5MIPS程度だったことを考えると、けっこうな底上げになっている。

 翌1987年には動作周波数を若干(54.1MHz→56.2MHz)引き上げたModel 150Eと、その上位モデルとして180Eが追加されたほか、2プロセッサー以上も最大6プロセッサーまですべて用意された(200E/300E/400E/500E/600E)。

 ハイエンドのModel 600Eでは89MIPSに達している。このEシリーズはローエンドの120E(54.1MHzで据え置き)と150Eを除くと、すべて動作周波数が58.1MHzである。

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