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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第19回

アップルの好決算も今年が最後か:

アップル株急落の理由 iPhone販売台数なぜ非公表に?

2018年11月13日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●iPhoneが好調だった9月期決算

 iPhoneは4688万9000台を販売し、前年から1%未満の増加でした。一方、売上高は371億8500万台に到達し、29%の増加。カラクリは「より高いiPhoneが売れている」という意味で、1台あたりの販売価格は昨年の618ドルから724ドルへと大幅に上がっています。iPhoneの売上高は9月期としては過去最高だったと、ティム・クックCEOは決算発表の電話会議で述べました。

 続いてiPadは1000万台を割り込む969万9000台で前年同期比6%減、売上高は40億8900万ドルで、こちらは15%減でした。349ドルで販売している廉価版のiPadが好調ながら、昨年は6月に発表していた新型iPad Proが10月30日の発表までずれ込んでいたことが影響しています。Macは529万9000台を販売し、前年同期比2%減。しかし売上高は74億1100万ドルで3%増加し、Macとしては9月期過去最高の売上高を達成しました。

 アプリ販売やサービス課金を含むサービス部門は99億8000万ドルで前年同期比17%成長。いよいよ四半期100億ドルの売り上げに限りなく近づきました。購読者数は3億3000万人で、こちらも前回発表の3億人から10%増加しています。

 最後にその他の製品。ここが最も成長率が高いカテゴリで売上高42億3400万ドル、前年同期比31%増を記録しました。Apple Watch、AirPodsなどのウェアラブル機器が50%成長しており、引き続き期待が集まる領域と言えます。

 9月期としては過去最高の決算でしたが、発表後に株価は急落しました。理由は来期の見通しが弱気だったことに起因しています。ウォール街の予測では、2019年第1四半期の売上高は93億ドル近辺になると見られていました。

 しかしアップルが出した予測は89〜93億ドル。アナリスト予測が最大値で、下限は2018年第1四半期と同等のレベルにとどまることを意味します。つまりアップルはこれまでのような高成長を予測していないことのあらわれでした。

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