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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第19回

アップルの好決算も今年が最後か:

アップル株急落の理由 iPhone販売台数なぜ非公表に?

2018年11月13日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●販売台数非公表は驚くことでもないかも

 たとえばiPhoneの場合、449ドルのiPhone 7から、512GBモデルのiPhone XS Max 1499ドルまで、1000ドルの開きがあるラインアップを用意しています。Macに至っては、799ドルから1万4000ドルまでのレンジです。しかし販売台数はどちらが売れても1台のカウント。もはや意味を持つ数字ではなくなった、というのがアップルの言い分です。

 しかし、やはり発表しなくなる背景には、今後アップルの業績を引っ張っているiPhoneの販売台数が下落を続けることを予測してのことだと思いました。スマートフォン市場全体は8%程度の下落に転じているため、何もアップルだけの話ではありません。むしろアップルはここ数年、販売増もしくは維持をよく続けてきた方だと思います。

 また、販売台数を追求しないという姿勢は、その他の面でも現れています。アップルは9月のiPhone発表会で、iPhoneをより長持ちさせる施策をアピールしました。最新のiOS 12は、5年前のiPhone 5sでも動作し、アップルが売りにしているARアプリは4インチのiPhone SEでも動きます。急いで買い替えなくてもいいというメッセージは、販売台数を追求する従来の指標と矛盾するものでした。

 世界のスマートフォン市場の下落、アップルの「長持ち」という環境対策との整合性を考えても、販売台数を発表しない方針はさほど飛躍したアイデアではないのです。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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