日本でAndroidスマホといったら「Xperia」! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(基本的に登場するのは国内で発売されたモデルのみです)。
2013年10月に発売された「Xperia Z1 SO-01F」と時期を同じく登場した機種がもうひとつありました。Xperiaシリーズとしてコンパクト路線をいく「Xperia Z1f SO-02F」です。
「Xperia Z1 SOL23」はauからも発売されましたが、「Xperia Z1f SO-02F」はドコモの専売でした。5型ディスプレーに大型化した「Xperia Z」から「Xperia Z1」とは逆に、手のひらにフィットするサイズ、4.3型ディスプレーを採用したのが「Xperia Z1f」です。
基本デザインは「Xperia Z1」と共通のフラットなオムニバランスデザインに準じた、背面のガラスパネルの透明感や、アルミ板から削り出した継ぎ目のないメタルフレームなど高い質感が感じられます。
また、丸みを帯びたボディーラインは手にもなじみなすい形状で、デザイン性と機能性を両立させています。
本体サイズは、約65×127×9.4 mmというコンパクトさ。「Xperia Z1」と比較すると、厚みは0.9mmほど増えていますが、横幅は9mm、高さは17mm短く、重さは140gとXperia Z1と比べて31gも軽いのです。
カラバリはブラック、ホワイト、ピンク、ライムの4色。「Xperia Z/Z1」ではパープルが象徴的なカラーとして採用されていましたが、「Xperia Z1f」ではライムやピンクといった華やかなカラーリングが人気を集めました。
ディスプレーサイズは、4.3型液晶で解像度は720×1280ドット。残念ながら解像度はXperia Z1の1080×1920ドットには及びませんが、鮮やかな色彩を表現できる「トリルミナス ディスプレイ for mobile」や、インターネット動画など低画質の場合でも輪郭や画素の劣化を復元して本来の質感やディテール感のある動画を再現する高画質エンジンの「X-Reality for mobile」はしっかりと備わっており、写真も動画を高画質で視聴できます。
スペックはSoCがSnapdragon 800(2.2GHz、クアッドコア)、メモリー2GB、内蔵ストレージ16GB、バッテリー容量2300mAhなど。Xperia Z1にあった赤外線やフルセグ/NOTTVといった機能は搭載されていません。
また、IPX5/IPX8の防水性能・IP5Xの防塵性能をもったまま、イヤホンジャックはキャップレスを実現。SIMカードスロット、microUSB端子、microSDカードスロットはカバーで保護されています。
カメラ性能はXperia Z1とまったく同じで、コンパクトデジタルカメラに使われているサイズの1/2.3型、約2070万画素のイメージセンサー「Exmor RS for mobile」や、高精細な写真の撮影できる画像処理エンジン「BIONZ for mobile」、F2.0の明るく広角撮影ができる「Gレンズ」を備えていました。
「プレミアムおまかせオート」では、約2070万画素の情報を800万画素に凝縮して「うす暗いところでもキレイに明るく」、「被写体ブレ、手ブレを減らして」、「3倍ズームでもキレイに」写真を撮れる機能を盛り込んでいます。
Xperia専用のカメラアプリも充実。シャッターを押すと前後1秒間に30枚、合計61枚もの写真を高速連写、前後の時系列に残った連続写真からお気に入りの1枚を確実に残せる「タイムシフト連射」、カメラごしのXperiaの画面にエフェクトをかける「AR effect」、撮影した写真から関連情報を検索してくれる「Info-eye」など、撮影を楽しめるカメラアプリが揃っていました。今でも一部のアプリは残っています。
また、WALKMANアプリを使って小さな音楽プレーヤーとしても使え、NFCでワンタッチでワイヤレススピーカーやワイヤレスヘッドホンなどと連携することもできました。
文字入力には「POBox Touch 6.2」を搭載し、QWERTYキーボードに数字キーが表示されるようになり、キーボードを自分好みのサイズと位置に調整できる機能や、オンライン辞書から検索して入力できたりと、小さいながらも文字入力は快適でした。
Xperia Z1に及ばない部分がありながらも、普段使いには十分な性能を備えており、このコンパクトなボディーでありながら、驚くほど高性能なカメラを備えているというのはとても魅力的でした。そのため、今でも必ずラインナップにコンパクトモデルが加わるほどです。
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