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なぜマキタのリチウムイオンバッテリーは災害時に最高なのか

2018年09月29日 12時00分更新

文● 四本淑三

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充電中の音はうるさい

 このバッテリーにADP05を装着するとモバイルバッテリーのできあがり。バッテリーがBL1860Bなら、iPhone 6(容量は1810mAhと言われている)なら12回充電できるとメーカーは言っている。

 気になるのはお値段。充電器DC18RFが1万1900円、バッテリーBL1860Bが1万7900円、USBアダプターADP05が3190円で、計3万2990円(いずれもモノタロウの抜税価格)。モバイルバッテリーと比べれば結構なお値段だ。

充電器 DC18RF
バッテリー BF1850B
USBアダプター

 「モバイルバッテリーだったら、もっと安くて容量大きいのあるだろ」と言われたら、そのとおり。BL1860Bの電力量は108Wh。3.7Vのモバイルバッテリーなら3万mAh程度の製品に相当する。このクラスでも最近は5000円を切る価格で売られているのだから安い。

 だが、モバイルバッテリーは充電時間が長い。3万mAhクラスだと、フル充電まで15時間前後、製品によってはもっとかかる場合もある。容量が大きくても充電に時間がかかると、かったるくて使わなくなってしまうのだ(私の場合)。モバイルバッテリーと電動工具用バッテリーの価格差は、この充電時間の差だ。

 弱点もある。電動工具用バッテリーは、充電時間が短いかわりに、充電中の音が結構うるさい。これは急速充電で発生するバッテリーの熱を冷やすために、充電器内でファンが回っているから。しかも、新しいDC18RFになって一段とラウドになった気がする。充電時間を短縮するため、余計にぶん回しているのだろう。自室で使っている限り気にならないが、居間で充電していたら家族から怒られるレベル。もし災害時に電源を借りて充電する際には、それなりの配慮がいるケースもあるだろう。

 もうひとつの懸念材料は、機内持ち込みの制限。これはマキタの製品に限らないが、100Whを超えるリチウムイオンバッテリーは、航空会社や国によってなんらかの制限がかかる。もし飛行機移動が多いなら容量抑えめで選んだ方がいい。例えば同じ18Vシリーズでも5000mAhの「BL1850B」なら90Whでおさまる。

互換品には意味がない

 あとはいかにして安く手に入れるかだが、安いからといって互換品はおすすめできない。純正のような性能が出ないばかりか、故障のリスクもあり、防災用として準備するには不安がある。ちなみにマキタのリチウムイオンバッテリーのセルは、シンガポールで製造されている。わかる人にはわかると思うが、セルの品質が出どころ不明の製品とは比べるべくもない。

 ところが困ったことに、通販サイトで型番検索すると、純正品より先に互換品がヒットする。「純正」というワードを付け加えても互換品は完全にフィルタリングされないし、画像の見た目もそっくりで、初めて買う人は間違えやすい。などど言っている私も、うっかりカートに入れていたことがあった。これはどうにかならないのか。特にAmazonの諸君。

 ダメ押ししておくと、万が一のトラブルが起きた際のサービスの厚さでも、マキタは評価が高い。サービス拠点の数で言っても、2位以下のメーカーを大きく引き離していて、これがマキタブランドの信頼を支えている。趣味でちょっと使う程度なら、なるべく安いもので済ませたいのも当然とは思うが、防災用品としてわざわざ互換品を買うメリットはなにもない。

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