筆者は3年半ほど前、10万円を超えるブラックフェイスで精悍なソニー初のデジタルペーパー「DPT-S1」を衝動買いした。そして約3年後、今度は発売当初の品薄状態が緩和した2017年秋に、真っ白にイメージチェンジした後継モデルである「DPT-RP1」を衝動買いした。
ツルツル滑るガラスの表面にボールペンで描く一般的なスタイラスデバイスと異なり、摩擦係数の高い紙に鉛筆で描くような筆記感覚があるソニーのデジタルペーパーを気に入り、すでに3年以上使い続けてきた。
しかし、その間もずっと不満だったのは、安価な「Boogie Board」をはじめとする多くの手書きデバイスがスマホとのデータ連携を実現しているにも関わらず、デジタルペーパーだけは新旧のモデルに関係なく、同じWi-Fiネットワーク下のパソコンとのデータ連携しかできなかったことだ。
レガシーなイメージの強いパソコン連携機能だが、まったくメリットが無かったわけではない。大型ディスプレーを使えば、13型を超えるDPT-RP1の画面サイズをそのまま等倍でディスプレー上に再現できた。また、大きな画面でのマウスを使った操作性は、間違いなく狭く小さなスマホ画面上の操作性をはるかに上回っているはずだ。
旧モデル(DPT-S1)は、Wi-Fi環境が無いアウトドアでメモしたものや、急に思いついた走り書きなどをどこからでもモバイルルーター経由でクラウドストレージ(Box)にアップロード可能だった。そのサポートが無くなった新モデル(DPT-RP1)は、モバイル環境にデジタルペーパーを持ち出した場合、自宅に帰ってWi-Fi接続するまではただの紙のメモ用紙に書いてるのと何ら変わりはなかった。
そろそろ何かほかのデバイスに買い替えようと考えていた今年6月ごろ、世代的にはDPT-RP1と同じモデルで、少し小ぶりなA5版サイズの「DPT-CP1」が発売された。そして、そのA5モデルの発売と同時に、スマホとデータ連携できる「Digital Paper App for mobile」の無料ダウンロードが解禁となった。
せっかちな筆者は、当初発表内容をよく読まずにスマホ連携アプリである「Digital Paper App for mobile」が使えるデバイスは、A5版サイズの「DPT-CP1」だけだと勘違いしていた。それゆえ、できる限り早くA5版サイズのDPT-CP1を速攻で衝動買いしようと企んでいたが、製品発表に気づくのが遅く、すでに最初のロットは売り切れだった。
幸いにも時間に余裕ができたところで発表内容をゆっくりと読み返すことができ、Digital Paper App for mobileは筆者の所有しているDPT-RP1でも使えることを理解できた。何はともあれ、まずはDigital Paper App for mobileをダウンロードして、今まではパソコンしか友だちがいなかった大きなサイズのDPT-RP1を、筆者のメインスマホである「HUAWEI P20 Pro」といっしょに使ってみた。
筆者の場合は、アプリを導入して起動した瞬間、デジタルペーパー本体のソフトウェアのバージョンが古いのでアップデートしろと言われてしまった。そして、なんとデジタルペーパーをパソコンにUSBケーブル接続してアップデートしろとの指示が。結局、デジタルペーパーはパソコンとは縁の切れない「パソコンありき」のデバイスであることを再認識させられた。

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