紙と鉛筆が持つ筆記イメージを追い求めて
タブレットが登場した日から、ツルツルしたガラスの筆記面にスタイラスで描くペンと液晶画面のコンビネーションには極めて違和感を持っていた。そんな筆者が2015年1月に、“紙と鉛筆”の筆記イメージにかなり近づいたソニーの初代デジタルペーパー「DPT-S1」(法人販売)を衝動買いした。DPT-S1はタブレットで感じた違和感を少しだけ”紙と鉛筆”近くに引き寄せてくれた商品だった。
その後、2018年3月には後継機種であるデジタルペーパー「DPT-RP1」を購入。同年9月にはスマホ連携の可能な“Digital Paper App for Mobile”が登場した。そして今年の夏には、ほぼソニーのデジタルペーパーと同じ富士通「QUADERNO」(クアデルノ)の量販店を中心としたコンシューマー市場への販売が開始された。
早速、2サイズあるクアデルノのA5版である“FMV-DPP04”を衝動買いした。購入したモデルは10.3インチ(解像度 1404x1872 ドット 16階調)のE Inkパネルを搭載したたった251gの超軽量なモデルだ。スペック的には先行販売されていたソニーのA5版 デジタルペーパーであるDPT-CP1と同様だ。
筆者が購入した頃は両者にかなりの価格差があったが、現在はソニーが価格を値下げ改定しほぼ同じになっている。購入して最初に驚いたのは、ソニーに比べて、当初からコンシューマ市場を対象にして販売開始したはずのクアデルノのパッケージングだった。
昨今のスマートフォンやデジタルガジェットのパッケージングを見ていると、そのオシャレなパッケージや、過剰とも思える丁寧な梱包に驚かされることが多い。しかしクアデルノは、企業ユーザーに大量一括納入するようなイメージや秋葉原で一昔前の中国製のビデオボードを買った時のような梱包だ。今は、業界を問わず世界中で梱包を簡素化するのがトレンドのようだが、筆者的には少し残念だった。
10.3インチのE Inkを採用したA5版クアデルノの外形サイズは、幅174.2×高さ243.5×厚さ5.9㎜というコンパクトサイズだ。本体以外の付属品は、充電式のスタイラスペン、USBケーブル、スタイラスペンの交換用替え芯、使って先が丸くなった芯を引き抜くためのツール、そして取説と保証書だ。
替え芯は鉛筆の芯感覚の“フェルト素材の替え芯”が3本付属する。他に多少硬めのボールペン的感覚の“ポリアセタール樹脂素材替え芯”がオプションとして売られているので、お好みに応じて購入すれば良いだろう。筆者は、デジタルペーパーを使いだした最初から、筆記時に多少引っかかりのあるフェルト素材の替え芯を愛用している。
デジタルペーパーもクアデルノも、スタンドアローン(単体)でE Inkを搭載した“電子式筆記ペーパー”としても使用できるが、PCやスマホ、その先のクラウドストレージ等と一緒に活用することで、より楽しく有意義な使い方に拡大する手書き系のガジェットだ。
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