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小島寛明の仮想通貨&ブロックチェーンニュース解説 第5回

関係者や専門家の話から整理する:

Coinhive事件 何が問題なのか

2018年07月23日 16時00分更新

文● 小島寛明

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■ネット広告黎明期と似ている

 コインハイブも、2017年9月にサービスを開始して以降、無断で他人のコンピュータの処理能力を利用するのは問題があるとの批判を受け、10月になって事前に同意を得る「AuthedMine」(オーソドマイン)と呼ばれる改良版のサービスをはじめている。

 男性は「自分としては広告と同じようなものという認識だったので、まさか違法になるとは思わなかった」と話す。

 多くのウェブサイトがさまざまな目的でJavaScriptを導入している。サイトを閲覧すると、広告を自動的に表示したり、統計の基となるデータを収集したりと、用途の幅は広い。

 こうした背景から、男性の弁護側は「この事件のプログラムコードは一般的なJavaScriptの動作を逸脱するものではない。被告人も、コードが違法なものと認識していなかった」と主張している。

 セキュリティベンダー大手のマカフィーでシニアセキュリティコンサルタントを務める安田淳一氏は、「マイニングを行うプログラムやスクリプトをめぐる現在の議論は、ネット広告におけるアドウェアが出てきたころの状況と似ている面がある」と指摘する。

 現在セキュリティベンダーでは、広告の表示を目的としたプログラムやスクリプトは、マルウェアとは区別した「アドウェア」や「不審なプログラム」等として検出する場合が多い。ブラウザーには「アドブロック」と呼ばれる拡張機能があり、必要のない人は選択的に広告を非表示にできる。

 マイニングについても、「マイナーブロック」と呼ばれるマイニングを実行させない拡張機能が登場し、利用する人も徐々に増えているという。

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