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マキタのBluetoothスピーカー「MR200」は音も仕様も構造も斜め上

2018年02月18日 12時00分更新

文● 四本淑三

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磁性流体ユニットとバイアンプ仕様の贅沢設計

 モノラルながらツィーターは36mm、ウーファーは101.6mmの2スピーカー構成で、それぞれを独立したアンプで駆動するバイアンプ仕様。それだけでも贅沢なのにツイーターには磁性流体ユニットが採用されている。ボイスコイルを支えるダンパーをなくし、余計な振動源を取り除けばひずみが抑えられるというので、同様のユニットはソニーの製品によく使われている。

 実際の音だが、これが期待していた以上だった。ある程度重量のある頑丈な筐体であることから、パワーを入れてもビビリ音や箱鳴りのようなものは聞こえてこない。ユニット構成なりのバランスも取れている上に、低域にも不足はない。

 中音域の抜けが良いのも美点で、ある程度スピーカーから離れて聞いても、人の声はよく通る。最大ボリューム近辺まで上げていっても、なかなか歪み始めないから、小型スピーカーの薄っぺらさはない。

 Bluetooth 4.0で、コーデックはSBCのみ対応というスペックはごく普通で、低遅延コーデックを使っているわけではないが、動画再生時の音ズレは感じられない。この点でまったく評価できないオーディオメーカーの製品もある中で、これは素晴らしい。

 ネット上には低音しか出ないという評価も見かけるが、これも使い方次第だ。このスピーカーには、本体の音量を絞ると低域が増強されるラウドネス回路が入っている。もし低音しか聞こえないと感じたら、スマートフォンの音量を下げて、スピーカーの音量を上げればいい。

 逆に低域が欲しいと思ったらスピーカーの音量を下げて、スマートフォンのボリュームを上げればいい。Bluetoothで接続しても、スマートフォンの音量操作とスピーカーの音量は連動しない仕様なので、スピーカーの音量をどこに設定するかで、低域の量は調整できる。

チューニングダクトを兼ねるスマホ格納室

 ユニークなのは低域のチューニング方法だ。本体背面下にスマートフォンを格納するハッチがあり、その中の格納スペースが低域増強用のチューニングダクトになっているのだ。写真に撮ることはできなかったが、この格納スペースの上にはスリットが開いていて、スピーカーユニットの気室とつながっているようだ。

 格納スペースのサイズは、実測で間口9.5cm、高さ2cm、奥行き18cm程度。これくらいあれば最近の大きなスマートフォンでも余裕で収まるはず。USBケーブルでの充電や、AUX INへの有線接続を考え、ハッチを閉めてもケーブルを逃がせるスリットも設けてある。

 スマートフォンの置き場確保とチューニングを兼ねたこの仕掛け、マキタの開発力おそるべしだ。問題なのは、ここにスマートフォンを格納しておくと、ボスが電話をかけてきても気付きにくいこと。このスピーカーには着信通知もハンズフリー通話機能もない。あとで怒られないように、その点には留意しなければならない。

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