2017年2月14日、Wiko(ウイコウ)が日本市場への参入を発表しました。ヨーロッパではミドルレンジクラスの製品を中心に市場展開しているWikoは、スマートフォンの低価格化の流れの中でシェアを徐々に伸ばしています。
日本はハイエンド端末が好まれる市場ですが、キャリアによる端末割引販売にメスが入りはじめたことにより、今後はリーズナブルな価格のSIMフリースマホのシェアが従来よりさらに、伸びていくとみられています。
Wikoが今回日本で発表した「Tommy」もSnapdragon 210、5型HD解像度(720×1280ドット)ディスプレー、2GBメモリー、800万画素カメラと、スペックはミドルレンジとエントリーの間。
これで2万円以上なら割高ですが、1万4800円(税別)と、なかなか悪くない価格で出してきました。ついつい契約してしまって、余らせているMVNOのSIMを入れてサブで使う、なんて用途にも向いています。
さて、Wiko製スマートフォンの魅力はどこにあるのでしょうか。Wikoのラインアップには、iPhoneと並ぶようなハイスペックモデルはありません。
しかし、ボディーカラーは多彩であり、外見だけでも十分に楽しめるモデルが多いのです。たとえば、こちらの「Lenny」はフレームの上下を別の色で挟むというサンドイッチのようなデザインを採用しています。
Tommyは6色展開予定ですが、最初に出てくるのはブリーン(「ブルー」と「グリーン」をあわせた造語)、フラッシュレッド、トゥルーブラックの3色。このブリーンはWikoのアイディンティティーとも言える色で、独特の色合いをしています。
なお、フラッシュレッドとトゥルーブラックは表面にシボを入れた仕上げとしていて、革のような仕上がりにしています。同じモデルなのに、ちょっとした差別化をしているあたりは、Wikoらしいこだわりかもしれません。
なお、Wikoの製品はDSDSに対応したものも増えています。ただし、現時点では「4G+2G」のDSDSで、日本でもSIM 2枚を活用できる「4G+3G」のモデルはありません。価格を抑えるために、基本スペックはミドルレンジのままでもいいのですが、DSDSだけはぜひ4G+3Gとしてほしいところです。
スマートフォンを選ぶ際に、スペックを気にするのは当然のことです。複数のアプリの同時利用や、重いアプリを使う時などは、CPUやメモリーが高性能な製品を選ぶほうがいいでしょう。
しかし、WikoはTommyを「カジュアルなエンターテイメントマシン」と位置づけています。SNSの利用やちょっとしたオンラインゲームを楽しむなど、ライトユースを狙っています。
そのため、Tommyのスペックに満足しないケースもあるでしょうが、価格相応にうまくまとめられた製品になっているという見方もできます。最初からiPhoneのライバルになろうなどと考えた製品ではないのです。
なお、Tommyの後には少なくとも2〜3モデルが登場するとのこと。恐らくより高性能なモデルも出てくることでしょう。間もなく開催されるMWC 2017で、Wikoは複数の新製品を発表する予定です。
どんなモデルが日本に出てくるかはわかりませんが、スペックが高めのモデルが投入される可能性は十分にあるでしょう。これまでWikoの新機種のニュースは日本人には興味のわかないものだったと思いますが、今年のMWCはWikoの動きにもぜひ注目したいものです。
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