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Windows情報局ななふぉ出張所 第68回

日本上陸が遅れたWiko、「フランス発」の勢いに期待

2017年02月16日 10時00分更新

文● 山口健太 編集●KONOSU

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 フランスのスマホブランドとして知られる「Wiko」が、2月14日、ついに日本上陸を発表しました。しかし日本のSIMフリー市場では競争が激化しており、やや出遅れた感もあります。

フランスの「Wiko」が日本に上陸。

第1弾はローエンド寄りの5インチスマホ「Tommy」を発売する。

地元フランスや西欧で人気

 Wikoは2011年にフランスのマルセイユで創業後、累計1000万台のスマホを出荷。フランス市場ではシェア2位、西欧各国でもトップ5以内と、かなりの勢いがあります。

 欧州の家電量販店やキャリアショップに行くと、最も存在感があるのはシェア1位のサムスンです。しかしミドルレンジからローエンドを中心に、Wikoもよく見かけます。2016年9月にベルリンで開催された「IFA 2016」にもブースを出していました。

IFA 2016のWikoブース。

指紋認証にも対応した「U FEEL」シリーズを展示した。

 欧州でなぜWikoが人気なのでしょうか。その理由のひとつとして、「地元のブランド」として売り出していることが挙げられます。欧州から見れば、話題のスマホはアジアや米国の製品ばかり。フランスのWikoは、国産スマホのように応援したくなる存在といえます。

 同様に、フィンランドのノキアが欧州市場で強かったのも、欧州生まれのブランドだったことが一因です。Wiko Japanの前田浩史社長が「Wikoが創業した2011年から、北欧の巨人は加速度的に失速した」と語るように、いまやWikoはノキアに代わる欧州スマホになりつつあります。

2017年の新規参入は厳しいとの見方も

 すでに世界34カ国に展開するWikoですが、もう少し早く日本に上陸できなかったのか、という見方は多いようです。そもそもWikoは、2016年9月の時点で日本上陸を予告していたものの、そこから発売までに5ヶ月もかかっています。

 日本のSIMフリー市場を狙う海外メーカーは、2015年から2016年前半くらいまでを「新規参入のチャンス」と見ていました。同じくフランスのブランドを売りにした中国TCL傘下のALCATELも、2015年夏に日本上陸を果たしています。

 すでにファーウェイやASUSは日本で確固たる人気を得ていますが、前田社長は「中国、台湾のスマホはあるが、Wikoはフランス発」と違いを強調しています。

 しかしいま、日本で結果を出しているメーカーは、品質向上やプロモーション、サポート体制などに地道な投資を続けてきたことも事実。これからWikoがそうした体制を作れるかどうかが鍵になりそうです。

「フランス発」ベンチャーの波が来ている

 1機種目となった「Tommy」は1万円台のスマホということもあり、突出したスペックは備えていないものの、色合いや質感は価格以上のものを感じます。今年中に発売するという2機種目、3機種目にも期待が持てます。

「Tommy」の色合いや質感は、1万円台のスマホとしてはなかなかいい。

バッテリー交換にも対応。2基のMicroSIMはデュアル待ち受け(DSDS)には対応しない

 そしていま、Wikoだけでなく、フランスのベンチャー企業が全体的に盛り上がっています。1月のCES 2017を取材した際にも、「ちょっと英語のアクセントが違うので名札を見てみたらフランスの会社だった」という場面に何度も出くわしました。

 アイデアや技術が優れた製品は数あれど、その中でもフランスのベンチャーが手がけるものは、「これは欲しい」と思えるデザインを兼ね備えているのが特徴です。

 Wikoも欧州では、デザインの優れたアクセサリーや周辺機器をいくつも展開しています。これらを日本でもラインアップすることができれば、他のメーカーにはない強みになりそうです。

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