左右独立ワイヤレスじゃないほうがいいのは余計な心配を除くため
個人的には、最近iPadで映画ばかり観ているせいで、低遅延で音のバランスもいいiBFreeはお気に入りです。生活防水なので、映画を観ながらそのままお風呂に入れるところも便利(さすがにシャワーを浴びるようなときには外しますが)。
でも、いま買うなら左右のハウジング間がケーブルでつながっていない、完全ワイヤレス型はどうかと考えている方も多いはずです。Appleも純正で左右独立型の「AirPods」を発売しますし、トレンドがそちらに向いているのは間違いありません。
左右独立型はワイヤレスイヤフォンのひとつの理想でもあり、ガジェットとしてのおもしろみもあります。ただ、実際に「Earin」使ってみた経験から言うと、私のような小心者には、なかなかつらい。落としたらどうしよう。片方欠けたらどうしよう。そんなことばかり考えて、ろくに音楽も楽しめない。これでは本末転倒です。
その結果、結局「ヒモでつないで、首からかけておけばいいんじゃないの」というソリューションもアリということで、AarPod用のオプションとして左右のイヤフォンをつなぐストラップが、すでにアクセサリーメーカーのSpigenから発表されています。
だったら最初から左右がワイヤードなイヤフォンでいいじゃないか、とも思うわけです。
そもそも左右をワイヤレスにして、音が良くなる理由はありません。左右チャンネル間の信号を揃えるためバッファを設ける必要があって遅延も増す方向で、左右信号の遅延から起きるフェージングの問題もあります。
以上のようなことを踏まえ、左右ワイヤードなBluetoothイヤフォンがやっぱり安心。低価格低遅延でオプションのストラップを付けなくても左右バラバラにならない。この点で私は1MOREのiBFreeを推しておきたいと思います。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ