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T教授の「戦略的衝動買い」 第399回

警告音オフでもデバイスを探し出せる! Bluetoothタグ「Chipolo」を衝動買い

2016年10月05日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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別のユーザーが見つけてくれる「コミュニティサーチ」

アカウントの設定メニューでコミュニティサーチをオンにすると、他人の紛失したチポロのシグナルを拾ってサーバーに送るという人助けを知らないうちにやってしまえる

アカウントの設定メニューでコミュニティサーチをオンにすると、他人の紛失したチポロのシグナルを拾ってサーバーに送るという人助けを知らないうちにやってしまえる

 チポロの面白いところは、個人で遺失物を追跡する非力な手段をコミュニティー(他のチポロユーザーのスマホ)を活用して、探す方法を拡張したことだろう。

 すべてのチポロユーザーはこのコミュニティーによる他力捜索に自分のスマホを協力させてもいいと判断するなら、アカウント設定の「コミュニティーサーチ」の項目をオンにすれば実現の手助けとなる。

 たとえば、宴会があった日の夜、手荷物を複数持っていた筆者は、チポロを取り付けた自分のカバンをどこかに忘れてしまったとする。

 カバンに取り付けたチポロとポケットの中のスマホの距離が離れると、実際には筆者のスマホは「かなり遠い」段階を通り越しても、セットアップで「通知範囲外」でも警告しない(オフ)と設定しているために、スマホから警告音が一切出ない。

 気づかない筆者は、タクシーで自宅に帰ってからカバンをどこかに忘れてきたことをやっと理解する。

最後にチポロと通信が途絶えた場所の地図はスマホに必ず表示される。失くしたものが誰かの手によって移動されなければ、おおよそこの中心地から半径60m(スペック)の範囲にあるはず。見つかるかどうかは別にして、スマホをガイガーカウンターのように持ち歩いて電波強度で遺失物を見つけ出すことができる

最後にチポロと通信が途絶えた場所の地図はスマホに必ず表示される。失くしたものが誰かの手によって移動されなければ、おおよそこの中心地から半径60m(スペック)の範囲にあるはず。見つかるかどうかは別にして、スマホをガイガーカウンターのように持ち歩いて電波強度で遺失物を見つけ出すことができる

 チポロを買っておいてよかったと思うのは、取り出したスマホ上に、最後にポケットの中のスマホとカバンに取り付けたチポロの通信が途絶えた場所の位置情報とその時刻が表示されていることだ。

 きっちりと自らのスケジュール管理をしていれば、その時間どこにいたのかは自明で、コミュニティサーチのお世話にならなくても、宴会をしたそのお店に即刻タクシーで引き返せばカバンは見つかりそうだ。

 しかし、これが失くしたのはキーホルダーで、場所はどこかまったくわからないけど、道端で落としてしまったとなると話は厄介だ。

 カバンの場合と同じで、最後にポケットのスマホとキーホルダーに取り付けたチポロの通信が途絶えた場所と時間はスマホで分かっているので、そのあたりを探しに行けばいいが、スペック通りの通信可能範囲だと、最後に通信が途絶えた場所を中心に半径60mを探索することになる。

 探索の間、ずっと、Chipoloアプリを起動させてガイガーカウンターのごとくキーホルダーに取り付けたチポロのBLE電波の強弱を探す羽目になってしまう。

自力での捜索活動を諦めて、「発見時に通知」ボタンをタップして、チポロユーザーのコミュニティによる探索をリクエストした場合は、見つかればサーバーから連絡がくる

自力での捜索活動を諦めて、「発見時に通知」ボタンをタップして、チポロユーザーのコミュニティによる探索をリクエストした場合は、見つかればサーバーから連絡がくる

 通知範囲が60mと広いのも良し悪しだと思ってしまうに違いない。そんな時は、ひとまず画面上の「発見時に通知」をタップして、「捜索モード」をコミュニティーに対してリクエストしておこう。

 しかし“現実はFAQマニュアルより奇なり”だ。偶然、極めて親切な人がいて、拾ったキーホルダーを最寄りの交番まで届けてくれたとすると、これは“想定外の小さな親切大きなお世話”のワールドにかなり入ってしまう。

 通信が最後に途絶えた場所の地図を頼りに訪ねてきたオーナーの理解している場所と、実際にキーホルダーのある場所が大きく離れてしまい、キーホルダーを見つけ出せる確率は極めて低くなってしまう。

 こういう事態はそれほど珍しくはなく、ごくありそうなシチュエーションだ。実はこんな時に役に立ってくれそうなのがコミュニティサーチなのだ。

スマホでもパソコンでもコミュニティーに捜索依頼をした時は、同じような内容の画面が表示される(この画面はWindowsパソコンのもの)

スマホでもパソコンでもコミュニティーに捜索依頼をした時は、同じような内容の画面が表示される(この画面はWindowsパソコンのもの)

実際にコミュニティサーチに名乗りを上げている別のユーザーが自分のスマホを持って運良く紛失中のチポロのそばを通りかかったら、そのユーザーのスマホをゲートウェイにして、紛失中のチポロのIDをサーバーに送る動作をユーザーには気づかれない形で行なう

実際にコミュニティサーチに名乗りを上げている別のユーザーが自分のスマホを持って運良く紛失中のチポロのそばを通りかかったら、そのユーザーのスマホをゲートウェイにして、紛失中のチポロのIDをサーバーに送る動作をユーザーには気づかれない形で行なう

紛失したチポロユーザーに発見の通知が届く

紛失したチポロユーザーに発見の通知が届く

 幸いにも、同じチポロユーザーでコミュニティサーチ機能をオンにしている誰かが、交番の周囲60m(メーカースペック)を歩いていれば、そのユーザーのスマホは交番の机の上に置かれたキーホルダーに取り付けたチポロを感知し、即座にBLE接続、捜索依頼の出ているチポロのID情報をサーバーに送って、紛失したユーザーのスマホアプリの画面に「Chipoloが見つかりました」と表示される。

 急いで交番近くに向かい、スマホ上で運良くアプリが「とても近い」と表示してくれたら、問題はほぼ解決だ。

通知を受けた紛失ユーザーはスマホを持って通知された地図の場所に行って、その中心より半径60mの範囲をスマホをもってあちこち歩き回る。運が良ければ「とても近い」なんて嬉しいメッセージを見ることができるかも

通知を受けた紛失ユーザーはスマホを持って通知された地図の場所に行って、その中心より半径60mの範囲をスマホをもってあちこち歩き回る。運が良ければ「とても近い」なんて嬉しいメッセージを見ることができるかも

 しかし、最悪はやはり交番を中心に半径60mの巨大なエリアを探し回ることになる。しかし、それも今の東京にチポロユーザーがどのくらいいて、その中のどのくらいの人が便利で壮大なコミュニティサーチの良さを理解して、セットアップのスイッチをオンにしているか? その確率の高さにすべてはかかっている。

 広い東京で一体どのくらいのチポロユーザーがいればこういうストーリーが成り立つのかバリバリの文化系の筆者には想像もつかないが、先進的なコミュニティサーチの成功率はひとまず忘れても、日々のスケジュール管理と最後にスマホとチポロの通信が途絶えた場所と時間があれば、従来の何の手がかりもない遺失物とは比較にならないほどの発見率になるのではないか、と淡い期待も抱いている。

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