ゲーム実況者の次は、俺たち「雑談配信者」が“来る”ーー!
niconicoで一番元気なユーザーが集まるニコニコ生放送「雑談」カテゴリ。そのカテゴリで活動する、雑談の腕に覚えがある配信者たちが、ひとつのテーマをもとに喋りまくる「雑談」特化型のニコニコ生放送の公式番組が「『雑談』配信者公式特番」。
「非婚」「いじめ・不登校」問題などさまざまなテーマが展開された「雑談」特化型番組となりましたが、番組の中で「ライブ配信メディア」に関連するテーマについてピックアップして振り返っていきたいと思います。
※タイムシフト(録画アーカイブ)はこちらからご覧頂けます。
出演者(敬称略・順不同)
司会:ひろゆき
出演雑談配信者:横山緑、コレコレ、もこう、NER、あさの☆ひかり
アシスタント:ゆかちー。
「やる気だけある配信者は、どうすれば食える?」
出演した横山緑さん、NERさん、もこうさん、コレコレさん、あさの☆ひかりさん、MCアシスタントを担当したゆかちー。さんも含め全員が「雑談」を題材(テーマ)として活動をする「生主」。
YouTubeであるならば「YouTuber(ユーチューバー)」という言葉があるように、「独自に制作したコンテンツ(番組)を定期的に継続して生配信している個人(もしくはグループ)の配信者」たちのことをニコニコ生放送上では「生主」と呼ばれます。
ちなみに、ほかのライブ配信メディアにおいて個人(もしくはグループ)の配信者を表す言葉としては、ツイキャス=「キャス主」、Showroom=「SHOWROOMER」、LINE LIVE=「LINELIVER」、Ustream=「Ustreamer」とそれぞれ呼ばれます(ツイキャス、キャス主はモイ株式会社の登録商標です)。
そして、無料はもちろん、月額課金や都度課金が可能な「ニコニコ(ユーザー/企業)チャンネル」をもつ「チャンネル生主」であり、金額の大小なりとも視聴者からの課金によって収益を得ている配信者たちでもあります。
「ここに来ている人たちは配信(がメイン)で食っている人ってことでいいの?」というひろゆきさんの問いに「一応、漫画(家としての活動)がメイン。正直、配信で食っていきたいと思っておらず、いまも生配信はほぼ趣味」と答えたのはあさの☆ひかりさん。
漫画家としての本業をもつ一方で、配信者として課金による収益を得る「兼業」としている一人。
今回「雑談」配信者としての参加していますが、もともとはニコニコ動画の「ゲーム実況」出身であり「歌うたい」でもある「もこう」さん。
ニコニコ動画やYouTubeへ動画コンテンツを定期的に継続して公開していくことで、動画制作者として動画再生による広告収入の得る手段をもつ一方、あさの☆ひかりさん同様で、配信者として課金による収益も得る「兼業」の立場。
YouTuberという名称は、いまでは世間一般の人達に認知され、小さな子が憧れる人気の「職業」となりつつありますが、動画再生によって広告収入を得て「専業」として生計を立てていける人はごくわずかですし、そこへ至るまでには大きな壁も存在します。
それは、ニコニコチャンネルをもつ「チャンネル生主」も、配信者としての活動を「専業」としていくのはとても難しいのが現状です。
では、いま配信で食っていけない人はどうやって食っていくか。
配信者としての活動を「専業」としているコレコレさんからは「配信で食べていくなら逆に仕事をするな」という意見も。
「ライブ配信メディアはテレビと同じように視聴者が集まる夜の時間帯に生配信するのがとても良い。仕事をしてると夜は疲れて寝てしまうし、夜の時間帯に限らず好きな時間帯に生配信することもできる。結果、配信の活動そのものに対する考え方を深く突き詰めて活動できるようになる」(コレコレさん)
極端な意見に聞こえるかもしれない。でも、そのぐらいの覚悟がないと、配信者としての活動を「専業」としていくことはできない、ということをこれまでの経験から基づいている言葉、なのだと思います。
動画か生放送どちらが稼げる?
「最初、『動画』と書いたけど消してやっぱり『生放送』。
動画のほうが稼げるのは意見としてわかる。でも、生放送は視聴者とリアルタイムにコミュニケーションをとれる。これは動画にはできないこと。そしてほかのライブ配信メディアでは視聴者が有料アイテムを生放送中に送ってもらうことでそれが(配信者の)収入になる(という仕組みがある)。上客(=有料アイテムをたくさん送ってくれる絶対的なファン)リスナーをゲットすることによって、結構な収入になった人も現実にいる。
絶対的なファンを得ることによって、動画より生放送のほうが稼げるパターンもある」(コレコレさん)
YouTuberは「動画再生数に応じた広告収入」モデルである一方、チャンネル生主などの課金チャンネルをもつ配信者は「月額課金や都度課金で視聴者からの課金によって収益を得る」ほか、「予め課金をして得た有料アイテムを視聴者が投じた数によって収益を得る」というモデルが基本です。
つまり、動画の場合は一見さんでも視聴再生数に応じて収益が発生しますが、生配信の場合は「視聴してもらう」だけでなく「ファンとなり」「課金をしてもらう」までのステップへ辿りついた人がいないと収益が発生しません。ここまでのハードルはとても大きな違いです。
そして、実際にお金を払うのは、生配信の場合はその「本人」。生配信時に視聴数がものすごく多くても、視聴者がファンへ変わっていかないと、配信者がもつチャンネルへ月額課金も都度課金登録することも、有料アイテムを投げることもないのです。
ただし、ファンの数が少なかったとしても、それが上客へ変わった場合、ものすごい大きな力となり、結果的にたくさんの収入も得る人が存在することも確か。
どちらか一つを選択するにはなかなか難しいところですが、
「動画は手堅いけど、太客を捕まえられるのは生放送」(ひろゆきさん)
ということは言えるのではないでしょうか。
しかし、公式特番配信中に「動画か生放送どちらが稼げる?」と視聴者アンケートを集計したところ、結果は「動画 82.9%」「生放送 17.1%」。圧倒的に「動画のほうが稼げる」と感じている視聴者がほとんどという結果に。
ぶっちゃけ「雑談」配信は来ないでしょう?
「ゲーム実況者の次は、俺たち『雑談配信者』が“来る”ーー!」のキャッチコピーへ異を唱えたのはコレコレさん。
「この番組って雑談配信者を前に推してる番組じゃないですか。僕はゲーム実況には勝てないと思っています。絶対勝てない、勝てなかった。やはり雑談配信者の人気と、ゲーム配信者の人気は圧倒的な差があると思う」(コレコレさん)
「(YouTubeやニコニコ動画でも)ポケモンGOとかモンスト(モンスターストライク)が流行った時にバッてあげると動画再生数がいきなり伸びる。誰が上げた動画か? は関係なく(ゲームそのものの)ブランドが利用できる。ゲーム実況のほうが(認知度が)上がりやすい」(ひろゆきさん)
「(視聴者が)見る動機は圧倒的にゲーム(が多い)。ゲームをきっかけに、そこで(配信者自身の)自分を出していく。そうして自分の存在をアピールしていくことで、視聴者に「あ、こいつ面白いな」と思ってもらう。そこから自分を作る(認知度を上げていく)のは(ブランディングの手段として)まだいけると思う」(もこうさん)
ニコニコ生放送に限らず、他のライブ配信メディアでも当面の間、伸びている題材(テーマカテゴリ)は「ゲーム実況」配信なのは間違いないでしょう。
これから「生主」として(もしくは他のライブ配信メディアで)活動したい、始めたい。そして、生配信で稼いでいきたい、と考える配信者がYouTuberのようにいまから認知度を上げていくには、まずは「ゲーム」を題材としたから手を出してみるのが、一番親和性が高い……のかもしれません。
その一方、「雑談」配信は来ない理由を改めて考えてみると、「ゲーム実況」配信そのものの伸びが大きいということ以外に「ネタの枯渇」問題「ハードルがどんどん上がっていく」問題、そして「祝電」問題があると考えています。
これら3つの問題については、次回の本連載で深く掘り下げていきます。
ゲーム実況者の次は、俺たち「雑談配信者」が“来る”ーー!
ひろゆきさんの司会によって進行した「雑談」配信者公式特番。改めてタイムシフトを視聴してみた自身の感想として感じたを2つをまとめます。
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