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IFA 2016レポート 第29回

防水対応がトレンド? IFA 2016で見かけたカッコイイ防水スマホ

2016年09月09日 11時00分更新

文● 山根康宏 編集● ASCII編集部

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防水端末の種類が増えていたIFA 2016

 IFA 2016には特徴的な機能を持ったスマートフォンや携帯電話の出展も目立ちました。そのひとつが防水型の端末。これまではどちらかといえばマイナーな存在だった防水対応スマートフォンやフィーチャーフォンが、IFA 2016の会場ではあちこちで見られました。

サムスン電子は水槽の中で「Galaxy Note7」を使うデモ

 スマートフォンの機能も各社横並び状態となったことで、防水に目を付けるメーカーが増えてきているようです。サムスン電子ブースでは大きな水槽の中に「Galaxy Note7」を入れて、ペン操作のデモなどを行なっていました。日本以外の国ではまだ防水端末はメジャーではなく、来場者の多くが興味を持っていたようです。

アクティブ系なデザイン端末が人気に

 また一般的なスマートフォンを防水化した製品よりも、見た目がタフでいかにも壊れにくい、といった外見のアクティブ系デザインの製品にも人気が集まっていたようです。ヨーロッパの中堅どころメーカーとしてタブレットなどを販売しているArchosもタフデザインのスマートフォンを展示。一方、防水端末専業というリトアニアのGetnordはプロユースにも耐えられるという、質実剛健な防水端末を展示していました。

防水端末のみを手掛けるGetnord

製品数は少ないが、防水対応のスマホやケータイを出展

 IP68の防水防塵に対応するGetnordの「Onyx」は、本体のフレーム全体をアルミ合金で仕上げた世界初のスマートフォン。本体の角をとがらせたデザインで、外周はゴム素材で覆われています。これにより落下はもちろん、表裏の方向からの圧力にも耐えられる剛性を持たせていますが、それだけではなくデザインにもこだわって外観を仕上げたとのこと。水深2mで30分の利用、高さ1.22mからの落下にパスするなど、IP68とMIL-STD-810Gのそれぞれに対応しています。

プロ向けのタフなボディーが特徴の「Onyx」

 本体の右上には7mm厚のアルミ製フックが付いています。ここにはストラップを付けて腰などからぶら下げておくことができます。しかもこのフックは硬度が高いため、アウトドアでガラスを割ったり石に傷をつけるといったことも可能とのこと。

 ディスプレーは“ゴリラガラス3”ですが、さらにその上に旭硝子製の保護ガラスも貼り付けられており、2重構造でディスプレーを守っています。まるでアーミーナイフのようなスマートフォンですが、リトアニアという小国から世界のスマートフォン市場へ進出するためには、これくらいの製品の差別化が必要なのでしょう。

背面側のガードもしっかりしている。端末上部のフックはツールとしても利用可能

 チップセットはクアルコムの「Snapdragon 410」(クアッドコア)を採用。メモリーは8GBでストレージは32GB。ディスプレーは4.7型HD(1280×720ドット)。カメラはリアが8メガでフロントが5メガ。SIMスロットはデュアルで、ナノSIMとマイクロSIMの2つのスロットを搭載。バッテリー容量はこのサイズでは大きめの4000mAh。全体的なスペックはミドルレンジのボトム寄りですが、本体の剛性とバッテリーを大きくすることで、プロ向けの端末に仕上げているわけです。価格は399ユーロとのこと。

スペックはミドルレンジ。しかしハードな仕上げは完全にプロ向け

 中国系のODM/OEMメーカーも防水端末を展示しているところが多数ありました。ひと昔前の中華系メーカーの製品は外見だけがアウトドア仕様で、実は防水には対応していないという見掛け倒しの製品ばかりでした。しかし今ではIP68やMILスペックの試験を受けた、本格的な製品が増えています。中国・深センのXingFeiテクノロジーもそんな1社で、防水系スマートフォンも複数開発、製造しているとのこと。

ODM/OEMメーカーからもしっかりした防水端末が登場

 同社の展示品を見ると、前述の「Onyx」と同型の製品がありました。これは同社がOnyxの製造を手掛けている、ということなのかもしれません。なお同社の顧客は世界各国のキャリアやメーカーに広がっており、ZTEやアルカテル、ハイアール向けの製品も一部製造しているとのこと。「日本向けの製品は?」の質問には首を縦に振っていたので、同社が手掛けた製品も日本のSIMフリー機の中にあるようです。防水端末については、展示品以外にも今後ラインアップを増やす予定だといいます。

「Onyx」の製造も手掛ける? 防水端末は今後種類が増える予定

 フィーチャーフォンだけを手掛けるBeafonは防水対応端末を2機種出していました。「AL550」は落としても壊れにくそうな、丸みを帯びたボディーが特徴のGSM携帯電話。IP67の防水防塵に対応しており、価格は69.95ユーロ。この製品は他社でも類似品を見かけたので、もしかするとXingFeiテクノロジーのような、ODMメーカーの設計による製品かもしれません。

フィーチャーフォン専業のBeafonの防水ケータイ

 一方、この秋発売予定の「AL250」は39ユーロと言う低価格ながらも防水対応のフィーチャーフォンです。本体サイズはかなりスリムで、ポケットに入れておくのにも邪魔になりません。日本でもフリーテルがシンプルな3Gフィーチャーフォンを販売したように、この「AL250」も日本向けに出したらサブ端末として人気になりそうです。

 ただし、Beafonの携帯電話はすべてGSMのみに対応しており、3G対応版はまだ無いとのこと。ブース担当者に日本の状況やアジアでGSM停波の動きがある話などをしたところ、3Gの搭載に興味を示していました。今後の製品展開に期待したいところです。

防水端末としてはスリムなフィーチャーフォンの「AL250」。3G版がぜひ欲しい

 ここで紹介した3社の担当者に聞くと防水端末の需要は高く、防水端末を求めるユーザーは次の買い替えの時も防水機能を求めてくるとのこと。そのためGetnordは毎年の新機種の投入も検討しているとのことです。来年のIFAでは今年以上に防水スマートフォン、防水フィーチャーフォンが見られるようになっているかもしれません。

防水スマホの今後の展開に期待


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